もしドラッカーが行動分析家だったら
名言〔第1位〕:「企業の目的は顧客の創造」 解釈: 企業が目指すべきなのは顧客の購買行動を介した社会の変容である。社会を改善する機能をもち、それに対価を支払う行動を強化できる製品やサービスを開発し、提供すること、そうした機能的な相互関係が成立…
名言〔第2位〕:「我々の事業は何か」 解釈: 企業の“事業”(行動)は顧客の購買行動によって決まる。どのような好子にどのような確立操作が作用し、どのような強化スケジュールやその他の条件設定(遅延、購買にかかる行動コスト、社会的随伴性など)下で、…
名言〔第3位〕:「知りながら害をなすな」 (これはヒポクラテスからの引用のようです) 解釈: 顧客の“信頼”とは、企業の製品やサービスや宣伝やブランドそのものが購買行動の弁別刺激となることである。 弁別刺激は刺激と強化の一致によって形成される。 …
名言〔第4位〕:「自らの強みに集中する」 (ドラッカーは、能力(competency)の底上げにはコストがかかりすぎるので、能力の高いところを伸ばすことに集中すべきとしています。適材適所や事業の選択という意味ではもっともですが、能力ではなく、行動やパフ…
名言〔第5位〕:「明日のために昨日を捨てる」 解釈: 行動、特に組織における行動は、その行動がそもそも強化されていた随伴性がなくなってからも、別の制御変数によって自発され続けるものである。たとえば、もう必要のない書類をこれまで書いてきたからと…
名言〔第6位〕:「何によって人に覚えられたいか」(この引用は他の名言と性格が異なります。ドラッカーが13歳のときに宗教の先生から「50歳になるまでに、“あなたは何によって人に覚えられたいですか?”という質問に答えられるように生きようね」と言われた…
名言〔第7位〕:「まず時間からスタートせよ」 解釈: 優秀な経営者は「何をすべきか」や「いつまでにすべきか」を考える前に次の行動をやっている。 1) まずは、自分の日々の行動を振り返り、どんな行動にどれだけ時間をかけているかを調べる。2) 時間をか…
名言〔第8位〕:「マネジメントの役割」 解釈:経営陣の役割は以下の3つである。 1) 組織の社会に対する機能を定義すること(すなわち、誰にどのような行動をして何を得るかというメタ随伴性を記述すること)。2) 1) の機能を発揮するための組織内の随伴性…
名言〔第9位〕:「真摯さこそ不可欠」 解釈: (ドラッカーはこれから成長していこうとする部下にとっての管理職に必要な素養として、管理職としての様々なスキルだけではなく、「尊敬できる人となり(原文は"integrity of character")」を持っていることが…
名言〔第10位〕:「顧客の創造に不可欠な二つの機能」 解釈: (ドラッカーは企業の目的を「顧客の創造」とし、そのために必要で、それだけあればいいのが、マーケティングとイノベーションであるとしています) 「組織の存在意義」でも定義したように、企業…
名言〔第11位〕:「マーケティングは販売を不要にする」 解釈: もしかするとこれも誤訳かもしれません。引用元はこうなっています。Indeed, selling and marketing are antithetical rather than synonymous or even complementary. There will always, one…
名言〔第12位〕:「教える組織を作る」 解釈: QCサークルやTQC、TQMなど、QC活動の成功事例からわかるように、「教える」行動が強化される随伴性は「学ぶ」行動の確立操作として機能する。これは、ゼミを発表当番制で運用すると、毎回最も学ぶのは発表者だ…
名言〔第13位〕:「自ら変化を作りだす」 解釈: もしかするとこれは誤訳かもしれません。引用元はこうなっています。Experience has shown that grafting innovation on to a traditional enterprise does not work. The enterprise has to become a change…
名言〔第14位〕:「自らの貢献を考える」 解釈: 組織における個人の行動とその随伴性は、組織全体のパフォーマンスとその随伴性に同調するように設計すべきである。つまり、組織全体のパフォーマンス向上につながる個人の行動が強化され、つながらない行動…
名言〔第15位〕:「強みを総動員する」 解釈: 上司でも、部下でも、自分自身でも、苦手な行動、不得手な行動をする機会よりも、好きな行動、得意な行動をする機会を増やした方が、組織にとっての成果につながる。 苦手な行動とは、行動内在的に嫌子出現によ…
名言〔第16位〕:「部下の強みを活かす責任」 解釈: 上司の仕事は部下の行動を支援して結果をだすことにある。したがって、上司の行動の強化随伴性は、部下の成功にもとづいて設計すべきである。 (追加の解釈) 部下の行動マネジメントをしていない/できな…
名言〔第17位〕:「優先順位を決める原則」 解釈: 優先順位の決定(すなわち選択反応)に及ぼす変数のうち、過去の成功(強化履歴)、目の前にある問題を解決すること(確立操作+逃避による強化随伴性)、他の会社や製品・サービスの成功を追うこと(モデ…
名言〔第18位〕:「信頼するということ」 解釈: 部下がリーダーについていくかどうかは、リーダーの言行一致度とその一貫性にかかっている。言語行動と非言語行動が一致していること(やるといったことをやる、やらないといったことはやらない)、一致した…
名言〔第19位〕:「対立なければ決定なし」 解釈: (「反対意見がでない案件は採用すべきではない」と主張する真意がわからないので、あくまで予測ですが)企業の経営を左右する案件については、賛成/反対の両方の意見表明を明示的に強化する随伴性を準備し…
名言〔第20位〕:「明日のために今日何をなすか」 解釈: 経営に影響する、将来の景気や経済・社会環境を起こりえる行動随伴性の変化として予測することも重要であるが、予測だけに終わっては意味がない。 必要なのはそのような変化に対応できる、今日できる…
名言〔第21位〕:「顧客にとっての価値」 解釈: 企業や組織の生存はその活動を強化する顧客の行動によって決定する。顧客の行動は企業や組織から対価を支払って受取る商品やサービスによって強化される。すなわち、好子消失による弱化を上回る好子出現によ…
名言〔第22位〕:「明日のために今日なにをなすか」解釈: 「明日何をすべきか」ではなく「明日のために今日なにをすべきか」。拡大解釈すれば、「明後日のために今日なにをすべきか」、「来週のために今日なにをすべきか」、「来月、来年のためになにをすべ…
名言〔第23位〕:「成果をあげることは習慣」 解釈: 「成果をあげるのは才能ではない」〔第25位〕にもあったように、組織で成果をあげるために必要な仕事はすべて学習可能な知識や技術--すなわち「行動」--である。成果をあげるために必要な仕事は複雑で、…
名言〔第24位〕:「リーダーとは何か」 (これだけだと「リーダーとは何か」がわからないので引用します)。 効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。リーダーとは、目標を定め、…
名言〔第25位〕:「成果をあげるのは才能ではない」 解釈:成果をあげる人(performers)とそうでない人(non-performer)の違いは“才能(talent)”という仮説的構成体によるものではなく、習慣や行動やルールによるものであるというのは、まさに行動分析学…
名言〔第26位〕:「組織の存在意義」 解釈:「組織とは目的ではなく手段である」という考え方はまさに行動システム分析そのものである。Gilbertの階層的視点の分析にしろ、Brethowerのトータルパフォーマンスシステム(Total Performance System: TPS)にし…
名言〔第27位〕:「組織は戦略に従う」 解釈:組織の構造は組織の機能が効率よく果たせるように変形できるように設計すべきである。いわゆる「べき論」や流行で組織の構造をつくっていくと失敗することが多い(たとえば「組織はフラットであるべき」とか「ピ…
名言〔第28位〕:「利益とは目的ではなく条件」 解釈:企業活動という集団行動は経済的好子(利益)ではなく、社会的貢献(生みだすべきモノやサービスを生みだしているかということ)や顧客サービス(生みだすモノやサービスが顧客にとって充分な好子や強化…
名言〔第29位〕:「理論は現実に従う」 解釈:企業において従業員や顧客や管理職の行動について、環境と行動との相互作用(「〜のときに〜したら〜となった」というオペラントや「〜によって〜する」が引き起こされる」というレスポンデント)を一つひとつ明…
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら岩崎 夏海 ダイヤモンド社 2009-12-04売り上げランキング : 2Amazonで詳しく見る by G-Tools 『もしドラ』(最初聞いたときは「もしドラッカーが高校野球の女子マネージャーになった…