自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

Bingに論文を要約してもらった:Estle et al. (2023). Discounting of outcomes in which immediate gains are followed by delayed losses.

所々怪しいところもあるけれど,ここまでできれば学部生が英語の(多国語の)文献を読む助けには十分なのでは? 大学院入試の英文全訳問題への回答と考えても合格点。 論文「Estle, S. J., Green, L., Myerson, J., & Yeh, Y.-H. (2023). Discounting of out…

ChatGPI vs Bing:これは癖になる。

対話型AIをすでに仕事に使っている人もいれば,遊んでいる人もいる。確かにこれは面白い。 両者に「行動分析学の研究を元にして朝早く起きられるようにするにはどのような介入が考えられる?」と尋ねてみました。Bingの回答は学生のレポートならB-,ChatGPI…

【お知らせ】徳島県特別支援教育実践報告会 特別支援教育の未来を創る〜子どもたちの熱いまなざしに応えるチーム学校づくり〜

2016年度に始まったこの実践教育報告会も7年目。継続とは力なり。今年度も贅沢な布陣を3回に分けてオンライン開催。全国からどなたでも無料で参加できます。 申込書はこちらからダウンロードしてください。

さやか星小学校のクラウドファンディングが11/7(月)から始まります。ご支援,ご協力,何卒よろしくお願いします。

さやか星小学校は長野県に開校予定の小学校です。 教育のあたりまえを見直し,変えていくと宣言し,ひとりひとりの子どもの個性を伸ばすことにコミットする,まったく新しい小学校が誕生します。学校の理念や奥田健次理事長の所信など,詳しくは動画やクラウ…

『ワードマップ:応用行動分析学―ヒューマンサービスを改善する行動科学―』正誤表

新曜社の編集担当者さんにお願いして『WM(ワードマップ)応用行動分析学』の正誤表を作成していただきました。 PDFはここからダウンロードできます。 発見した間違いを読者カードやメール,授業のコメントなどでお知らせいただいた,すべての皆さまに感謝い…

J-ABA年次大会2021を振り返る:学会企画シンポジウム 行動分析学は日本の大学でどのように教えられているか

学会企画シンポジウム 行動分析学は日本の大学でどのように教えられているか 企画・司会:中島 定彦(企画委員会; 関西学院大学)話題提供: 吉野 智富美 (ABAサービス&コンサルティング) 山岸 直基 (流通経済大学) 島宗 理 (法政大学) 杉山 尚子 (星槎大学) …

J-ABA年次大会2021を振り返る:公募企画シンポジウム⑤ 行動記録と情報共有システムの利点と課題

公募企画シンポジウム⑤ 行動記録と情報共有システムの利点と課題 企画・司会 奥田健次(学校法人西軽井沢学園)話題提供 佐々木銀河(筑波大学)話題提供 笹田夕美子(行動コーチングアカデミー)話題提供 中谷啓太・井上雅彦(鳥取大学)指定討論 島宗理(…

「行動分析学―効率的な時間の使い方―」『調査月報』2021年5月号(5月5日発行)の補足資料

『調査月報』2021年5月号(5月5日発行)に掲載された「行動分析学―効率的な時間の使い方―」の補足資料です。本文は日本政策金融公庫のサイトを参照してください。 「時間を効率的に使う」をテーマに行われたじぶん実験や私が関わった企業における事例から,…

【お知らせ】適切な「排泄」と良質な「運動・遊び」「眠り」で理想的な家庭犬を育てよう

山本央子先生のWEBセミナーです。 案内の写真(左側)はおかげさまで理想的な家庭犬に育ったうちの子です。右側は昨年天命を全うされた山本先生の察子さん。この写真はたぶんもう8年くらい前のもので,うちの子ももうすぐ10歳。いまでは毛色が薄くなり(下)…

【お知らせ】全県で取り組むポジティブ行動支援

徳島県の教育実践研究報告会,コロナ禍の今年度は,なんと3日間のオンライン(Zoom)開催です。 第一部は1/25(月),第二部は2/18(木),第三部は3/4(木)で,行動分析家だけでも,奥田健次先生,庭山和貴先生,大久保賢一先生,野田航先生,大対香奈子先…

自分が担当する心理学実験実習はPsychopy3+Pavloviaで乗り切ることにしたのですが,不必要に時間がかかってしまったこともあるので,つまづいたところをまとめておきました。

Psychopy3は最新版を。単純な実験でローカルではまったく問題ないのにサーバーにあげてwebブラウザーで動かそうとしても動かない問題。妙だと思ったら,ローカルのPsychopyが3.XX.XXと一世代前のものでした。Mac用Standalone最新版は現時点(2020/05/09)で2…

授業のオンライン化【中間報告】授業のオンライン化を開始して1ヵ月がすぎ,色々なことがわかってきました。見えてきた課題もあります。誰もの役に立つとは言えませんが,誰かの役には立つかもしれないので,自分用のノートを公開しておきます。

講義科目,実習科目は非同期型にして(たぶん)正解。講義動画の再生数は受講生数の120-150%くらい。途中で再生やめたり,あとから見直している学生が相当数いるということ。これは対面授業では実現できない長所。2月にYouTubeで実施した大学院発表会では,…

日頃からの感謝をこめてwebクイズをご提供します:『パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学―』編

大学もコロナ対策に追われています。新学期をいつ始められるのか見通しを立てるのがどこも困難な状況ではないでしょうか。 そんな中,学生たちが学ぶ機会を確保すべく,先生方におきましても,様々な鋭意工夫をされておられることでしょう。 日頃,拙著を教…

国際行動分析学会がオンライン開催されることになりました(案内を話題のDeepLで翻訳してみました)。

Google翻訳よりも精度が高いかも?という噂のDeepLでABAIからの案内を翻訳してみました。手は全く入れてません(「悟」じゃなくて「理」だけど,そりゃ無理だよね)。 悟さんへ COVID-19パンデミックの真っ只中にあって、私たちの世界的なコミュニティに深い…

スクールワイドなポジティブ行動支援のリーフレットが公開されました。

スクールワイドなポジティブ行動支援の全県展開に取り組んでいる徳島県から,幼稚園・こども園・保育所向けのリーフレットと,管理職・ミドルリーダー向けのリーフレットが公開されました。どちらも,実践園・実践校との協力で進められている導入プロジェク…

【お知らせ】特別支援教育の未来を拓く〜チームとくしまになって広げよう!「わかった!できた!」学びの輪〜(特別支援教育実践研究報告会, 2/14-15)

日本行動分析学会でも実現しないような陣容です。ポジティブな行動支援に関心のある徳島県内の先生方,近県の先生方,全国の先生方,ぜひご参加ください。案内のPDFはこちらから。

第一種の過誤と第二種の過誤,どっちがどっちだか自分もいつもわからなくなるので,このさい改訂案をつくってみた。

第一種の過誤と第二種の過誤,混乱するのは初学者だけではない。自分もいつもどっちがどっちだかわからなくなる。名称と内容の関係が恣意的なのだから仕方ない。 誰が"Type I Error","Type II Error"と命名したのかは存じ上げないが,教育的配慮のかけらも…

小樽J-ABAを振り返る:「科学哲学からみた統計解析法--シングルケースデザインを中心に--」(長いよ)

8月末に小樽で開催された日本行動分析学会の年次大会で個人的にふっきれていないのがこの教育講座でした。もろこし食べて,フロスして,歯も磨いたのに,どこかにまだ挟まっているような感じ(比喩下手くそ)。 未消化なところについてタラたらと書いてみま…

スポーツのコーチングにおける課題分析:明日の久保選手を育てる「エコノメソッド」

東京オリンピックまで一年を切りました。酷暑など問題が山積している感がありますが,今日はスポーツの話です。 国際大会レベルやプロの世界では選手の育成やマネジメント,チームの運営にデータを活用する取り組みが進んでいます。日本開催でテレビ中継がな…

『行動分析学事典』に問う。オペラントとレスポンデントの区別について。

4月末に公刊された『行動分析学事典』。完読にはほど遠いですが(事典なのでそもそも最初から最後まで完読するものでもないし,そうしようともしてないのだけれど),ぱらぱらとめくると,いくつか気になるところが見つかります。 今日はそのうちの一つにつ…

夏井先生の"俳句の才能査定ランキング"は課題分析のお手本です。

2013年の放送開始から衝撃を受け,言語行動満載の課題分析に取り組むなら,これを見よと学生さんに伝えてきた『プレバト!!』(TBS/MBS系列, 木曜19:00-)。 音楽にあわせてリズムをとるとか(結局,難しいのは5/4拍子の「テイク・ファイブ」しかなくて終わ…

「10MTVオピニオン」での配信が始まりました。

10MTVオピニオンは「1話10で知識・教養が身につく」大人のための教養講座です。 『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』(光文社新書)を読んで下さった制作チームの方に声をかけていただき,2月に取材を受けていたのですが,このたび公開されました。以下,…

人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか

出口を間違えまくる女 pic.twitter.com/baDFnZM9KG -- ポッカキット (@po__kaki__to) August 6, 2019 160万回以上再生されているこの動画。間違いの原因を人に帰属させているコメントが多いけど,まさに個人攻撃の罠である。 この人,行き先をよく見る行動を…

【お知らせ】公開講座@行動分析学会の年次大会 in 小樽

今年の年次大会は小樽で開催されます。昨年と同じように,会員でなくても参加できる公開講座が開催されます。以下,その情報を転載します。北海道で行動分析学会の年次大会が開催されるのは,1999年北海道医療大学以来です。近隣・近郊にお住まいで興味があ…

PythonとKivyを使った実験プログラム開発その3:『独学プログラマー --Python言語の基本から仕事のやり方まで--』

大人買いした沢山の本から,初心者向けにどれか一冊選ぶなら,これですかね。『独学プログラマー --Python言語の基本から仕事のやり方まで--』 Pythonの大枠をざっくり学べます。読みやすいし,見やすいし,例も豊富です。 Kindle版を購入したのも大きかった…

PythonとKivyを使った実験プログラム開発その2:統合開発環境 PyCharm とネットによるプログラミング行動の強化随伴性

PythonとKivyで実験制御プログラムを開発していくときに便利なのがIDE(Integrated Development Environment)と呼ばれる統合開発環境システムです。 開発するプロジェクトごとにプログラミング言語やそのバージョン,組み込むモジュールなどを設定した仮想…

水曜日のダウンタウンにみる新元号のシェイピング

5月8日放送の『水曜日のダウンタウン』,改元特別企画はキングオブコント2016年で決勝進出をはたした"ななまがり"をゆるやかに拉致し,世間との接触が一切ないように監禁。新元号が発表された後,5分に一回,新元号を推測して習字し,当たるまで脱出できない…

【お知らせ】第2回行動ウェルネス研究会(転載します)。

以下,転載します。 第2回行動ウェルネス研究会のお知らせ 開催日時:2019年6月8日(土)14時~19時(第1部・2部)会 場:慶應義塾大学三田キャンパス 南館・地下4階ディスタンスラーニング室定 員:100名参加費:無料 ※19時からキャンパス内の学食にて懇親…

『3ステップで行動問題を解決するハンドブック ー小・中学校で役立つ応用行動分析学ー』すぐに使える豊富な例が多数ある,わかりやすいガイドブックです。

畿央大学の大久保賢一先生による『3ステップで行動問題を解決するハンドブック』。4/25(木)に刊行予定ですが,さきほどAmazonをのぞいたら「Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 1,357位」となっていました。なかなかの注目が集まっています(笑)。 本書では,…

『ポテンシャル学習心理学』ー学習心理学の基礎を学ぶ--

今月は行動分析学関係の出版が続いています。日本大学の眞邊一近先生による『ポテンシャル学習心理学』は,学習心理学の基礎をまとめた教科書です。同じサイエンス社からは,恩師である実森正子先生と,同窓の中島定彦先生の共著『学習の心理』が出版されて…