自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2011-01-01から1年間の記事一覧

iCloudに習うより慣れろ

この冬休みの宿題の一つが、全部で4台あるMacをLion(MacOS10.7)にアップデートして、iCloudを完全導入すること。iPhone、iPadとあわせて6台がクラウドを通して同期することになる(ちなみにLionからMacOSは基本的にネットワーク販売のみとなりDVD等では購…

視考術で占う iTV

2011年最後の記事として、行動分析学特講のレポートである学生が取り上げていたテーマを掘り下げ、視考してみました。 まずはレンタルビデオのビジネスモデルの随伴性分析です。従来からの店舗型、ここ数年で伸びてきた郵送型(月定額制)、今後の展開が予想…

MSさま: 120回の操作/人/学期 x 1.5万人 x 2学期/年 = 360万回の操作

後期のレポート採点がすべて終了〜 これで気持ち良く年を越せます。 Wordではファイルごとに最後に表示したときの画面倍率が保存されているようで、ファイルを開くと、レポートごとに異なる倍率で表示される。 さすがに学部生は若い。多くの学生が100%以下。…

【資料】行動分析学からみたTEACCHプログラム

[WorkItOut!!からの引越し案内] 今となっては化石的な資料ですが、一応、移転しておきます。「自立」や「自発的」コミュニケーション、構造化を学校に導入することなどについて、考えるべきこと、整理すべきことなどが蓄積してきています。いずれまとめな…

Cloudの雲の中で迷子になった子羊たちよ

『Scientific American: Mind』を通勤電車で読み、内容や気がついたこと、考えたことをTwitterでつぶやく作戦も停滞気味。スタログを使い、Evernote(やFastEver)も駆使し、つぶやきはツイートレターでGmailに転送し、専用フォルダに自動仕訳けして、後々時…

旅は修行だ(その7):言語行動なしの理解にYOROKOBU?

スペインの国内線に機内誌としておいてあった雑誌『YOROKOBU』。 喜ぶ? ニホンゴかい?とぱらぱらめくってみると、スタイリッシュな写真がいっぱい。 記事はほとんどスペイン語なので空想の域をでないのだが、デザインを意識した情報誌のようだ。後でwebペ…

【資料】 特別支援教育で使えるデータベース:教材、事例研究、個別の指導計画

[WorkItOut!!からの引越し案内] 徳島県立国府特別支援学校とのコラボレーションで生まれ、発展し、いまだ活用されているデータベースです。 特別支援教育のための教材データベース 徳島県立国府特別支援学校の先生方による教材データベースです。発達障害…

旅は修行だ(その6):排尿の機会と頻度

スペインでは飲食店での喫煙が全面禁止。日本でいう居酒屋でも禁煙。ところが路上は全面解禁で道行く人の多くが歩きタバコ。老若男女おかまいなし。煙くて困る。しかも平気でポイ捨てる。モデルのような美人がグッチの入口でタバコを投げ捨て、ヒールで踏ん…

旅は修行だ(その5):OMOTENASHIと観光立国

バルセロナは綺麗な街だった。あちこちにオブジェやガウディの作品と思われる建物がある。普通のアパート(というかコンドミニアム)も洒落ている。 港あり、海岸あり、ボードウォーク(catwalkという名前がついていた)沿いにはリゾートホテルのプライベー…

記憶の記憶:用語について訂正します。

学生が「新近性」と「親近性」を混同していて、どうやらその原因は私にあるようだと、藤田先生が教えてくれました。 「新近性」とは系列位置効果の末尾の部分、時間的に最近提示された刺激を想起しやすいという“recency effect”に使われる用語です。系列の最…

旅は修行だ(その4):Limited Hold 付きでスキャロップ

知らない街を地下鉄で移動するのは楽しい。国や地域で異なる切符やカードの買い方や使い方を、まるでRPGに挑むように、あぁでもない、こうでもないと試しながら、路線図やチケットなどのアイテムをゲットしながら、正解を探していく。最初はまったく意味をな…

旅は修行だ(その3):一石二鳥か二兎追うもの一兎をも得ずか

観光旅行が苦手だ。名所旧跡そのものに興味がないわけではない。教科書や映画でしか知らなかった歴史を現実を直視しながら辿ると、「なるほどなぁ」「まさか」「ということは...」と、思いがけないほど色々な事を考えさせられ、興奮することもある。 苦手の…

旅は修行だ(その2):スペインの夜明けは遅い。

スペインの夜明けは遅い。時差ぼけのせいで4時過ぎに目が醒めてしまったということもあるが、ベッドに横たわり、体を休め、今か今かと日の出を待っているのに、窓の外がいっこうに明るくならない。うつらうつらしながら忍耐強く待つ。6時になっても真っ暗…

旅は修行だ(その1):オラ、バルセロナの街並。

自分にとって旅は修行。生活環境が変化するのは苦痛だし、予想外のことが起こるのも苦手。だから日常生活ではできる限り生活を単純なルーチン化し、すること、する場所、する時間は、できる限り固定化している。 だから、本来、旅行はしたくない。テニス合宿…

【資料】 Lisaの開発裏話:ユーザーテスティングと行動分析学

[WorkItOut!!からの引越し案内] ソニーがソニーらしさを取り戻すために「ユーザー・エクスペリエンス(UX)」をキーワードに商品や組織を見直しているそうだ。 個人的にはVAIOにWindowsをつんだ時点がつまづきだったのではないかと思う。最初からXMB(クロ…

【資料】パフォーマンス・マネジメント:組織における行動分析学

[WorkItOut!!からの引越し案内] めちゃくちゃ古い資料ですが、WorkItOut!から移動させておきます。 このワークショップでは、1998年12月19日に立命館大学で開催された行動分析学会公開講座『ヒューマンサービス領域における応用行動分析:プロフェッショナ…

持続可能な世界をつくる行動改革のための国際会議:発表申込みの受付が始まりました

来年(2012年)、8月3日(金)〜5日(日)にオハイオ州立大学(USA)で開催される『持続可能な世界をつくる行動改革のための国際会議(Behavior Change for a Sustainable World)』の発表申込み受付が始まりました。ABAIのwebサイトからオンラインで申請で…

阻止の随伴性:日本行動分析学会年次大会を振り返って(その2)

ちなみに、今日は、特殊教育学会の年次大会で弘前に来ています。山がこんなに近いのに登りにいけないのは辛いもんです。 さて、阻止の随伴性について。 まず、企画者の吉野俊彦先生が例にあげていたいくつかの例ですが(指定討論の長谷川先生が「じぶん日記…

阻止の随伴性:日本行動分析学会年次大会を振り返って(その1)

早稲田大学で開催された第29回日本行動分析学会年次大会も盛況なままに閉幕。木村先生はじめ、早稲田のスタッフの皆様に感謝です。 個人的には師匠のDick Malott先生と久しぶりにお会いして、招待講演の通訳までやらせて頂いたのが楽しかったです。まさにDic…

応援の心理学

先週の金曜日、夏休み最後の余暇活動として、デビスカップワールドリーグ入れ替え戦、日本対ドイツの初日、シングルス第一試合と第二試合を観戦してきました。コートサイドで杉田くんと錦織くんを応援。 日本のテニス会場は静かなことで有名なのですが、この…

【資料】 日本語版PIRK: 就学前児向け行動査定リスト

[WorkItOut!!からの引越し案内] 奥田健次先生もコンサルでいまだに活用してくれているというチェックリストです。 日本語版PIRK: 就学前児向け行動査定リスト ニューヨークにあるフレッド・ケラースクールという学校で使われている、就学前児童のための行…

Evernoteで思考の棚卸し

とうとう夏休みが終わってしまいました。あまり知られてなくて誤解も多いのだけれど、大学教員には「夏休み」はあってないようなもの。授業がないだけで、逆に授業期間中にはなかなかできなくて溜まった仕事に追われる毎日だったりします。しかも、自分の場…

【資料】 日本行動分析学会20周年記念講演(動画ライブラリ)

[WorkItOut!!からの引越し案内] 今週末(9/18-19)は日本行動分析学会の年次大会@早稲田大学です。自分は初日の招待講演でMalott先生の講演の通訳を頼まれていますが、Malott先生のプレゼンは、基本、スライドの自動運転に時々コメントが入る形式なので、…

『節電社会のつくり方 スマートパワーが日本を救う!』

この夏の宿題としてエネルギー問題に関わる本や資料を読みあさっています。 この本はエコポイント制度を提唱、導入した、元経産省官僚の加藤敏春氏の著書。スマートグリッド、スマートメーター、発電方法の多様化と地理的分散化などの必要性や可能性がわかり…

【資料】 小学校のクラブ活動の時間を使って子どもたちの「挑戦」を支援し、自信をつけさせるチャレンジクラブ

[WorkItOut!!からの引越し案内] 徳島県立阿南支援学校が阿南市立富岡小学校と共同で開発したクラブ活動の時間を活用した支援プログラム『チャレンジクラブ』を実施するためのマニュアルや記録用紙、チェックリストなどの各種資料です。 本研究については第…

『ほこ x たて』とチャンスレベルと南部鉄器極め羽釜

「絶対に穴のあかない超合金」vs.「何にでも穴をあけられるドリル」とか、「絶対にあけられない金庫」vs.「どんな鍵でもあけられる鍵師」とか、ひいては「ぜったいに見破られないヌーブラ」vs.「ヌーブラを見抜く男(だったっけ?)」とか、ときどきぐぐっと…

WorkItOut!を閉鎖します:何がしたいんだか、やたらと架空登録が多くて気持ちが悪いので

研究や実践の情報を公開するCMSとして運営してきた「WorkItOut!」ですが、ここ1ヶ月くらい架空のユーザー登録がやたらと増えて、気味が悪く、閉鎖することにしました。 xoops は XOOPS Cube となって、日本では独自の開発、サポートが続けられているし、Imp…

三菱鉛筆 UNI JETSTREAM(ジェットストリーム) Fシリーズから考える購買動機と消費行動をつなぐ仕組み

これまでボールペンは3もしくは4色の、よくあるタイプのものを使っていた(最近は法政ロゴの入ったやつ)。 多色ボールペンはメモをとるときに色を簡単に変えられて便利なのだが、色ごとに使用頻度が異なるため、どうしても先になくなる色、最後まで残る色が…

テレビ取材や出演依頼について

原則、ほとんどすべてのご依頼をお断りしています。 TV番組制作や出演に関する依頼をいただくたびに返信しているメールのひな形を公開することにしました。かつ、今後は依頼メールに対し、基本的には、この記事へのリンクのみを返信することにします(そうす…

異なる概念には明確に異なる用語をつけた方がいいと思う:「問題行動」と「行動問題」について

最近、時々、妙な文章にでくわす。 「行動問題を消去するために」とか「行動問題と両立しない望ましい行動を強化する」とか。 「問題行動」は消去できるが、「行動問題」は“解決”したり、“低減”したりすることはできても、消去や強化はできない。具体的な行…