自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』が電子図書になりました。

奥田先生のブログで知りました。数ヶ月前に出版社から承諾書が送られてきていて、返信はしていたものの、その後は音沙汰なしだったので、今年最後のサプライズ的なご褒美になった感じです。 だって、あのiTunesStoreで自分の名前で検索するとヒットするんで…

ニコチン中毒や禁断症状なるものは作り話である!?

去る12/14に慶應義塾大学で開催されたミニ・レクチャー「健康と行動的意思決定」は衝撃的に面白かったです。それまで常識だと思っていたことが次々と覆されました。既存の知識との落差があまりに大きかったので、紹介された論文をいくつか読んでからブログの…

「褒めて育てる」と「おだてて放任」とは違うのだよ!

総武線で飯田橋に向かう電車に、五人の子どもと三人のお母さんが乗ってきました。 いきなり、そのうち三人の子どもが靴をはいたまま椅子に飛び乗りました。窓にむかって膝を立てて座り、騒ぎだします。座っている私の真横でです。 二人のお母さんがつり革に…

アイディア差し上げます。誰か作ってプリーズ:窓ふきロボット(Gamba)

大掃除の季節ですね。 自分は大掃除が面倒なので、日頃からこまめに片づけたり、汚さないようにして(うちの台所では油を使う料理は禁止です)、そもそも大掃除する必要がないようにしているのですが、唯一の例外が窓ふきです。 窓ふき(洗車も同じ)には、…

『PHPくらしク〜る♪』 1月号 「行動分析学から学ぶ やりたいことができる人になるヒント」

本日(12/18)発売の『PHPくらしク〜る♪』1月号に記事を書いています。 「行動分析学から学ぶ やりたいことができる人になるヒント」という題目で、セルフマネジメントの考え方やコツを紹介した記事です。 PHPというと、近所のスーパーのレジ手前のコーナー…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その22)「真摯さこそ不可欠」

名言〔第9位〕:「真摯さこそ不可欠」 解釈: (ドラッカーはこれから成長していこうとする部下にとっての管理職に必要な素養として、管理職としての様々なスキルだけではなく、「尊敬できる人となり(原文は"integrity of character")」を持っていることが…

「普及とは行動変容である」 Paul Chance先生の特別講義がありました。

水曜日には法政心理でPaul Chance先生の特別講義がありました。 Psychology Today などの一般誌に心理学に関する記事を書かれてきたChance先生は、ロバースの自閉症児に対する早期集中行動訓練の研究を世に広めた功績に対し、国際行動分析学会からメディア賞…

アイディア差し上げます。誰か作ってプリーズ: Mac版Excel用の読み上げプラグインとBluetooth接続しているときも数値が画面表示されるネットワーク電卓

毎年、研究費の精算と確定申告をする時期は、領収書の整理に追われます。 百枚近くなる領収書を分類し、金額の合計を電卓で計算するのですが、検算するたびに違う結果がでてしまいます。 この作業はとても苦手です。 電卓ではなくExcelを使ったこともありま…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その21)「顧客の創造に不可欠な二つの機能」

名言〔第10位〕:「顧客の創造に不可欠な二つの機能」 解釈: (ドラッカーは企業の目的を「顧客の創造」とし、そのために必要で、それだけあればいいのが、マーケティングとイノベーションであるとしています) 「組織の存在意義」でも定義したように、企業…

不覚。リボ払いにやられました。

行動随伴性を机上分析してみると、クレジットカード破綻を起しやすいのは「リボ払い」という仕組みであると、以前このブログで書いていたのにも関わらず、不覚にも、自分もその罠にはまってしまっていたのに気づきました。 先月、とあるクレジットカードの明…

行動分析学から心理学の基礎概念を解釈する(その13):カクテルパーティー現象

定義: 「特定の情報に選択的に注意を向け、他の情報を無視することができるという現象」(『心理学辞典』(有斐閣), p. 114)。 行動分析学的解釈: ざわつくパーティー会場のどこかで自分の名前が会話に登場すると、それに気づき、その会話だけがよく聞こ…

『スクールワイドPBS―学校全体で取り組むポジティブな行動支援』 学校に導入する手続きまで書かれた実践的な本です。

久しぶりに大学に行ったら、二瓶社さんから献本が届いておりました(有り難うございます)。 我が国初のスクールワイドPBSの(翻訳)本です。 前半が機能分析や指導計画の立案など、後半がスクールワイド体制の築き方についての解説となっています。チェック…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その20) 「マーケティングは販売を不要にする」

名言〔第11位〕:「マーケティングは販売を不要にする」 解釈: もしかするとこれも誤訳かもしれません。引用元はこうなっています。Indeed, selling and marketing are antithetical rather than synonymous or even complementary. There will always, one…

『行動生物学辞典』 動物のお仕事をしている人には必読書となるでしょう。

とても面白い辞典がでました。 序にあるように、行動生物学は動物の行動を研究対象とする生物学の総称で、動物行動学、応用動物行動学、動物心理学、行動分析学、比較認知科学、神経行動学、行動薬理学、行動遺伝学、人と動物の関係学などを含む学際領域です…

アイディアさしあげますからiRobotさん作ってプリーズ: バーチャルウォールにドア回避機能を

このところ我が家のルンバくんが連続してピンチに。 上の画像のように、ドアの向こう側で電池切れし、ドアと家具や荷物の間に挟まって、ドアが開かなくなってしまいました。 なんとか隙間をこじあけ、棒を突っ込んで移動させましたが、ドアごとはずさないと…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(番外編11-4) 権勢症候群(アルファシンドローム)という考え方には科学的な根拠がないだけでなく、問題行動を重篤化させるリスクがあること[その4]

『ザ・カリスマドッグトレーナー〜犬の気持ち、わかります〜』のシーザー・ミランと、区の「犬のしつけ教室」で講師をされていた方には動かせない共通点があります。 それは犬の問題行動の原因を、飼い主の態度(「すぐれたリーダー」としての態度の欠如)や…