自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲームで自閉症になる? -- トンデモないです

自閉症の特性として「注意の範囲が狭い」「シングルフォーカス」「見通しがきかない」などが上げられることがある。 これって、どんな感覚なんだろう? って想像してみた。たとえば、雨や霧で視界が悪いときに時速60kmで運転をしていると、ふだん100m先まで…

飼い犬のために一家に一台?

ドッグトレーニングのためのこんな装置がオンライン販売されているらしい。 説明書には「正の強化を使って飼い犬のしつけを楽しくしましょう」とある。 トレーニングプログラムのDVDが付属。犬飼ってたら試してみたくなりそうな一品です。

PECSとTEACCH:ごまひげ船長の航海日記

ごまひげ船長こと、西南女学院大学の服巻繁先生が、PECSやTEACCHの構造化の手法を導入している学校への訪問レポートを日記の形式で公開されています(Captain's Cabin)。 PECSについては、カードを使ったコミュニケーションから始めることで発話によるコミュ…

イラクはどこに?

日本の大学生の43.5%、高校生の45.9%がイラクの地理的な位置がわからないらしい。米国についても大学生の3.1%、高校生の7.2%が誤答し、中には「中国」と間違えた回答もあったという(日経新聞, 2005.2.23)。 残念ながら、この調査を行なった日本地理学会…

『ADHD 注意欠陥/多動性障害の子への治療と介入』

昨年、神戸で開催された世界行動療法認知療法学会で、ADHDをもった成人への薬物療法と認知療法に関するワークショップをお手伝いしました。その準備のために読んだ本の1冊です。 医学的な話は難しく、敬遠する人も多いかもしれませんが、ADHDをもった児童・…

想い出をつくることを支援する?

来る2/27(日)に行われる附属養護学校の「表現会」の練習を観察してきた。小学部の3つの組が、それぞれ舞台に上がって、予行練習をしていた。 この種の行事や集団行動が苦手な子どもたちも、各自が取り組める、そしてなおかつ楽しめそうな役割を、先生方が…

統計のウソ

日本の食料自給率は40%? それとも70%? 日経新聞(2005.2.21)によれば「どちらも正解」。40%はカロリー換算、70%は金額換算で、野菜や果物など値段は高くてもカロリーが低い国内産の食料があるために、これだけの開きがでるという。 他にも、「…

考えすぎのエンジニア

システムエンジニアやプログラマーの人には論理的で聡明な人が多いと思う。 だが、それゆえに、ときどき、考えすぎのようなソフトウエアの機能にお目にかかったりする。 自分はEGWordというワープロソフトを使っているのだが、今回とある原稿を執筆するため…

脳と行動

先日の鳴門教育大学附属養護学校の研究発表会では、「自閉症」についてあらためて考えさせられることがいろいろあった。あまりにいろいろあったので、まとめて時間をとって、じっくり考えて文章にすることにし、来年度のプロジェクトリストに追加した。 いろ…

行動コンサルテーション

数年前から The Behavior Analyst Today というニューズレターをオンラインで発行していた BEHAVIOR ANALYST ONLINE.ORG から、行動コンサルテーションを専門とする、新しいオンラインジャーナルが発刊された。 ジャーナルの名称は The International Journa…

テロ対策に行動分析学を

ここ数年《いかに仕事を断るか》をセルフマネジメントのテーマの一つにしている。 「やります」と引き受ける行動は相手からの感謝などで即座に強化される。特に教育業界ではそれが「人助け」みたいな社会的な善行につながっているところがあるから。心意気の…

『社会性とコミュニケーションを育てる自閉症療育』

『社会性とコミュニケーションを育てる自閉症療育』Kathleen Ann Quill【編】安達 潤・笹野 京子 ・内田 彰夫 【訳】松柏社 2004(改訂版第3刷) 木曜に予定されている附属養護学校研究発表会の分科会で助言をするために、このところ、今話題の「ソーシャル…

『プラス思考でうまくいく行動支援計画のデザイン』

AAMR(アメリカ精神遅滞学会)が刊行している人気シリーズ「リサーチから現場へ」の日本語翻訳版、第3段め。 PBS(Positive Behavior Support)の枠組みから、どうすれば個人の生活の質を向上させる行動支援計画が作成できるかを分かりやすく解説している。…

『親と教師のためのAD/HDの手引き』

先日、現職教員数名との覆面座談会を行った。 テーマは「教師はなぜ本を読まないか?」。 もちろんすべての教師がそうではないだろうが、とても熱心な先生でさえ、特に専門書になると、「なかなか読めない」、「買ったけど、そのまま」、「ページを開けて文…

『ぼくのアスペルガー症候群—もっと知ってよぼくらのことを』

『ぼくのアスペルガー症候群—もっと知ってよぼくらのことを』ケネス・ホール著 東京書籍 2001 アスペルガー症候群を持ったケネスくんが書いた本です(実際には編集者が聞き取って文章にしています)。 自閉症やアスペルガー症候群を持った子どもが、どんなふ…

鳴門教育大学特別講座:学校でここまでできる!

サマースクールを修了した先生たちが9月から進めてきた事例研究を発表し、情報交換する場をつくるというのが今年の新企画。嬉しいことに、大学がバックアップしてくれることになりました。 詳しくは徳島ABA研究会のHPをご参照下さい。 鳴門教育大学特別講座…