自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その15)排泄(そんなにしたくもないときにやってもらうために)

我が家の排泄訓練については以前この記事に書きましたが、今日は言葉掛けでしてもらうことについて。うまくいってるんだか、うまくいっていないんだか、よくわからないケースです。 ところで、犬に対して「おすわり」とか「待て」と指示する言葉のことを「コ…

ポスター発表をA0で印刷するメリット発見

ポスター発表はA4がいいのだ(の理由)ではA0(やB0)ポスターのデメリットしか書きませんでしたが、昨日のポスター発表会場では、こういう大型ポスターの利点を発見しました。 関西学院大学の風早さんによる米山先生との共同研究のポスター(「ファーストフ…

日本行動分析学会三十周年大会: 記念グッズのお知らせ

日本行動分析学会三十周年大会の記念グッズのお知らせです。担当常任理事の杉山尚子先生からのメッセージを転載します。 今週末、岐阜大学で開催される創立30年記念の年次大会におきまして、下記の記念グッズを販売致します。 1.ロゴ入りワイングラス(…

devil's advocateの日本語訳を探していたら、まぁ、いつものことだが、Yahoo!知恵袋とか、相変わらず酷いねぇ。

以下、ここからの引用。他人の欠点やあら捜しばかりして他人を窮地に落とし込もうとする人の意味です。「です」だって。断言しちゃってるよ。もっとわかりやすく和訳すると「へそ曲がり」。手元に辞書がないのでわからないが辞書、調べろっつ〜の。「わざと…

行動分析学から心理学の基礎概念を解釈する(その11):ピグマリオン効果

定義: 「人は他人に対していろいろな期待をもっている。意識すると否とにかかわらずこの期待が成就されるように機能すること」(『心理学辞典』(有斐閣), p. 715)。 この現象については、ローゼンソールとジェイコブソン(1968)の、教師を対象に生徒た…

ポスター発表はA4がいいのだ(の理由)

週末は行動分析学会の年次大会ということで、法政ABA研究会のメンバーが発表するポスターの最終チェック中です。 今や世の中はA0(ゼロ)印刷したポスターが標準的になっていて、うちのゼミや研究会のように、未だにA4で印刷したものをピンでちまちまボード…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その15) 「部下の強みを活かす責任」

名言〔第16位〕:「部下の強みを活かす責任」 解釈: 上司の仕事は部下の行動を支援して結果をだすことにある。したがって、上司の行動の強化随伴性は、部下の成功にもとづいて設計すべきである。 (追加の解釈) 部下の行動マネジメントをしていない/できな…

エリクソン違いを見破るとは、なかなかやります図書館司書の皆さん

エリクソンの"Deliberate practice"について調べていたら、こんなQ&Aが掲載されたサイトを発見した。質問 (Question) 精神分析学者、E.H.エリクソンが、スポーツや芸術などの熟達過程において「注意深く組み立てられた練習:Deliberate practice」を「その練…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その15)雷対策

関東では観測史上一位を更新し続ける暑さが続いています。「観測史上」というのがいつからのことなのか気になったので、気象庁のHPの「過去の気象データ・ダウンロード」をみたら、東京の気温は1872年から遡ってダウンロードできるみたいです。 1872年といっ…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その14) 「優先順位を決める原則」

名言〔第17位〕:「優先順位を決める原則」 解釈: 優先順位の決定(すなわち選択反応)に及ぼす変数のうち、過去の成功(強化履歴)、目の前にある問題を解決すること(確立操作+逃避による強化随伴性)、他の会社や製品・サービスの成功を追うこと(モデ…

「RULEG」的なテニスのレッスンビデオを発見。さっそく注文してしまいました。

Tennis Biz: 『フォアハンドストロークの基礎1テークバック』より インストラクショナルデザインの基礎の基礎である「RULEG」の考え方を使って作られた教材には中々出会わないものなのだが、たまたま見つけたこのテニスのレッスンビデオのサンプルはかなり…

『行動分析学道場 2013』 @行動コーチングアカデミー in 北(訂正:正しくは西)軽井沢のお知らせ

昨年はゲスト講師として参加させていただいた、奥田健次先生の 『行動分析学道場』に、今年は講師として参加することになりました。 日 時: 2012年8月20日(火)〜22日(木) 会 場: 行動コーチングアカデミー(長野県北佐久郡) 詳 細: こちらのサイトを…

あなたに近い考えの政党は? Yahoo! Japan みんなの政治 「相性診断」を試してみました。

いよいよネット選挙解禁。Yahoo! Japan みんなの政治 参議院選挙2013 「相性診断」をさっそく試してみました。 憲法、経済、TPP、原発、税、くらしに関する計11問の質問に、賛成から反対の5件法で回答すると、自分の考えに近い政党と候補者を教えてくれます…

大阪府教育委員会の【体罰防止マニュアル】に随伴性ダイアグラムを発見

大阪府教育委員会の【体罰防止マニュアル】を読んでいたら、随伴性ダイアグラムを発見。 自傷や他傷をする子どもが、なぜそうするのかを理解するための研修になっているようだ。 子どもが言うことをきかなかったり、わけがわからないことをやり続けることに"…

ICTでラケット診断...のはずが、やっぱり「フォームが先」の結論なり:スウィング・ラボ体験報告

ダンロップとエプソンが共同開発したという「スウィング・ラボ(Swing Labo)」を受診(?)してきました。 テニスラケットのグリップに測定装置(おそらくは加速度とジャイロセンサー?)をつけ、球出しマシンからでてくるボールを打ち、録画したビデオと共に、…

スポーツ観戦にビッグデータの到来? IBM SlamTracker の体験記。

今年の全仏でその存在に気づいたのだが、時間がなくてアクセスしたことがなかった IBM SlamTrackerを覗いてみた(解説はこちら)。 プレー中の試合をポイント毎に記録し(これは手動のようだ)、すぐに各種指標に反映させて(1st.、2nd.サービスが入った確率…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(番外編4)山本央子先生の家庭犬育成指導者養成キャンプ

このシリーズにちょくちょく登場する山本先生こと山本央子先生は、米国で家庭犬育成の仕事に取り組まれてきた専門家の先生で、はると私はクライアントとしてお世話になっています。 私たちの場合、ご縁があって山本先生からご指導を受けることができ、叱るこ…

『実録!少年院・少年刑務所』

刑務所や拘置所で働いていた著者による解説書。この本でもたくさんのことを学びました。 以下、無知をさらすことを覚悟で、この本から学んだことを羅列します。 少年院は「保護処分」(罪名も刑期もない)、少年刑務所は「刑罰」。 少年刑務所に「少年」はほ…

『刑務所のいま-受刑者の処遇と更生-』 我が国の現在の刑務所の現状と課題がよくわかりました。

来月の日本行動分析学会年次大会で「『罰なき社会』を再考する」自主シンポをやります。その準備で色々な本を読んだり、資料を集めているのですが、この本は中でも勉強になりました。シンポでは紹介できないことも多いので、せっかくなのでシェアします(つ…