自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

嘘はいけません(2)

外出先で仕事をしようと、iDisk(アップルは.Macのインターネットディスク)に接続しようとしているが、つながらない。 再起動しても×。アップルのホームページでサーバーの状況を確認すると「通常運用を行なっています」のグリーンサイン。 変だなと思って…

『捜査心理学』

映画『羊たちの沈黙』や海外ドラマ『Xファイル』などに登場するFBI捜査官たち----アカデミーで学んだ“行動科学”を駆使して、犯人の割り出しにプロファイリングという手法を使うという。 映画やドラマの世界だから現実離れしているはずだし、誤解・歪曲も多…

復習・演習の重要性

東京理科大学の澤田利夫先生が日本の小学校で使われている算数の教科書を分析したところ、1970年代と2000年代を比較すると、総ページ数で26%、復習・演習で63%も少なくなっていることがわかったそうだ(日経新聞, 2005.3.12)。 澤田先生はこれが「学力低下…

速読法?

速読って、風水みたいな眉唾のトンデモ系かと思っていたけど、新聞で取り上げられていた「トレーニング例」を見て、もしかしたらそれなりに意味があるかもと、さっそく本を注文した。 とりあえず、気になったのは、これ。 「あ」から順番に「い」「う」「え…

学校経営品質

三重県では社会経済生産性本部の経営品質向上プログラムを応用した学校経営改革に取り組んでいるという(日経新聞, 2005.3.26, p.29)。 記事を読む限り、学校の理念や方針をまず決めて、そこからトップダウン式に、数値化して評価できる目標を作って、その…

9たての0投稿

3/18から投稿0の日が9日も続き、10日ぶりのblog記事になった。 先週は土曜から水曜まで休みをとって北海道でボード(スノー&クライミング)をして遊んでいた。そのせいで書き込む時間がなったこともある。でも、もっと大きな要因は、毎週月曜か火曜にやっ…

学校における“変数の混交”

ゼミ日記で竹田先生がこんなことを書いている。 「変数の混交」 ふと、自分がケース研究をしていた時のことを思い出しました。 掲示板がなかったその当時は、先生と定期的にミーティングをして、指導手続きの修正をしていきます。 ついついやってしまったの…

○から×への脱力系アプローチ

去る3/12(土)『鳴門教育大学特別講座:学校でここまでできる!』が附属養護学校で開催されました。 年度末の土曜日。しかも徳島ヴォルティスJ1昇格後初のホームゲームと重なったににも関わらず、特別支援教育に関わる80人以上の方々が参加して下さいました…

Mac vs Win:位置を手がかりにしたメニュー(2)

柴田さんの分析と同じように、前々から気になっていたMacとWinのコントロールパネルのインターフェイスの違いについて比較してみた。 MacではOSXからコントロールパネルという名前がなくなり、「システム環境設定」というメニューに各種設定項目がまとめられ…

Mac vs Win:位置を手がかりにしたメニュー

MacPeopleの4月号にMacとWindowsのインターフェイスの違いについて柴田文彦さんによる面白い記事が掲載されていた。 Macではアプリケーションのメインメニューは画面(デスクトップ)の最上段に表示される約束になっている。これに対しWindowsではメインメ…

バーチャルとリアル

ネットゲームでアイテムを盗難されたと届けでる被害者が増えているという。元恋人から別れた腹いせにすべてを盗まれた人もいるらしい。 当局は「盗難」ではなく「不正アクセス禁止法違反」などで立件可能かどうかを検討しているそうだが、中には盗難後、高額…

幻覚・妄想の機能的分析

残虐な殺人/傷害事件が起こると、容疑者や犯人の精神鑑定が行われる。犯人に刑事的責任能力の有無を調べるために行われるものだが、その過程から「悪魔の声が聞えた」とか「誰かに追われて殺されそうになった」など、事件が幻覚や妄想によって引き起こされ…

行政の役割?

3/9の記事でふれた米国ニューヨーク州の保健省(Department of Health)が出版しているガイドブックを紹介しておこう。 Clinical Practice Guideline: Report of the Recommendations Autism/Pervasive Developmental Disorders Assesment and Interventio…

Switchして欲しいと思うとき

WindowsユーザーにMacへ乗りかえるように奨める−それがAppleのSwitch(スイッチ)キャンペーンだ。アップルのサイトにはMacにスイッチする理由トップ10があげられている。 「1.誰でも簡単に始められる」や「2.クラッシュしない」などの本質的な話や、「…

決めるのはユーザーなのだ by ビル・アトキンソン

数日前、「マックと行動分析学の親密な関係」という記事で、アップルのユーザーインターフェイスの基礎をつくったLisaというコンピュータの開発過程で、いかに行動分析学の考え方が活用されていたかを紹介した。 実は、グレッグのあのメールを翻訳しようと思…

『アスペルガー症候群と感覚敏感性への対処法』

コミュニケーションとか社会性の障害はおそらく自閉症の主因ではないだろうと疑っている。これらはもっと根本的な障害からくる二次的な、言ってみれば学習性の障害ではないだろうか? それでは一次的な障害は何かというと、何らかの脳の機能的障害による感覚…

自閉症は視覚優位?

自閉症の人は「視覚優位」だという。 確かに言葉がけでは指示に従えない子どもがカードを見ながら自分で動けているのを見ると、視覚的支援の有効性には異論のないところだと思う。 でも、視覚的支援が有効だからモダリティとして「視覚優位」だとは言えない…

一太郎ビューア

?マーク付きマウスアイコンでもめてる一太郎。東京地裁の判決は松下に軍配が上がり、ジャストシステムはユーザーが安心して(?)使えるように、アイコンを変更するパッチを配布した。もちろん判決には不服として控訴。 そんな中、相変わらずいきなり.jtdフ…

マックと行動分析学の親密な関係

アップルのMacintoshの元になったLisaというパソコンとソフトウエアの開発に行動分析家が関わっていたことはあまり知られていません。 今でもスティーブ・ジョブズと交友のあるグレッグ・シュティークリーサーが、インストラクショナルデザイン−特にユーザー…

授業料分の授業を!

日経新聞で「大学激動:大学院肥大化のツケ」という特集が連載中。 本日は「院生・一般編」。 ・単位認定を厳しくすべき。 ・授業料分の授業をして欲しい。 ・研究中心で教育は軽視している。 ・社会の要請に応えるべき。 など、院生や大学外からの厳しい意…

日本の企業とパフォーマンスマネジメント?

『インストラクショナルデザイン』を出版してから、この本を読んで行動分析学に興味を持ち『パフォーマンスマネジメント』も読みましたという、たいへんありがたい読者からのメールを何通もいただいている。 行動分析学Q&A掲示板ではマコトさんより以下のよ…

『マイソーシャルストーリーブック』

『マイソーシャルストーリーブック』 キャロル・グレイ他 編著 安達 潤 監訳 / 安達潤・柏木諒 訳 スペクトラム出版社 自閉症児の苦手な社会的文脈や手がかりの理解を高めるのに有効であるとされる「ソーシャルストーリー」。本書はその提案者であるキャロル…