自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

特別支援教育

住んでみんで徳島で! 教えてみんで徳島で!!

徳島県の教採応募要領が公開されています。 平成32年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査について(平成31年実施) 応用行動分析学を学び,児童生徒の指導にすぐにでも活用したいと意気込む志望者の皆さま,ぜひとも阿波の国,徳島での受験をご検討下さ…

講演の資料:「通常学級の支援--すべての子どもの学びを支援するための発想転換--」

ご要望がございましたので、先週、徳島県の「実践研究報告会」で講演をしたときのスライド資料と配付資料を公開します。これだけだと何がなんだかわからないと思いますが、通常学級で学びを支援するために重要な4つのポイントについてそれぞれ体験的な演習…

【お知らせ】 徳島県教育委員会 実践研究報告会

2015年も残すところあと3日となりました。 今月中旬に何年かぶりに風邪で寝込んでしまったせいもあって、大晦日ぎりぎりまで仕事が終わりそうにありません(涙)。 振り返れば今年は公私共に色々なことがありました。京都で国際行動分析学会があったなんて、…

徳島ABA研究会:Googleドライブで事例研究の成果を公開することになりました。

2003年度から毎年行われてきた事例研究を、web上のデータベースとして公開してきた徳島ABA研究会ですが、昨年度に行われた事例研究からは、Googleドライブでその成果報告を公開することになりました。 これまではデータベースの入力作業が先生方にとっては一…

『スクールワイドPBS―学校全体で取り組むポジティブな行動支援』 学校に導入する手続きまで書かれた実践的な本です。

久しぶりに大学に行ったら、二瓶社さんから献本が届いておりました(有り難うございます)。 我が国初のスクールワイドPBSの(翻訳)本です。 前半が機能分析や指導計画の立案など、後半がスクールワイド体制の築き方についての解説となっています。チェック…

『どうして声が出ないの?: マンガでわかる場面緘黙』 使えそうな一冊です。

場面緘黙の本は少ないので、貴重な一冊である。しかも、前半はマンガ、後半はスモールステップでの指導や練習に使えるチェックリストや具体策のイラストなどが掲載されていて、とても使いやすそうな本にまとまっている。 緘黙そのものよりも、緘黙によってQO…

日本教育心理学会総会のSugai先生による特別講演の発表スライドがPBISのサイトにアップされました。

日本教育心理学会第55回総会のGeorge Sugai 先生による特別講演 『子どもたちが健やかに成長する学校環境』の発表スライドがPBISのwebサイトで公開されました。 オリジナルの英語版に加え、日本語訳版も公開されています。英語版では発表者用のノートも公開…

日本教育心理学会第55回総会準備委員会企画シンポジウム1 『発達・教育支援におけるエビデンスにもとづいた実践 』 発表資料をアップします。

日本教育心理学会第55回総会準備委員会企画シンポジウム1の発表資料です。 話題提供者の先生方、スライド資料のご提供、ありがとうございました! 『発達・教育支援におけるエビデンスにもとづいた実践』 企画・司会 島宗 理(法政大学) 企画 山本淳一(慶…

Positive Behavior Intervention and Support (PBIS) の “Positive”って何が“Positive”?

日本教育心理学会第55回総会のGeorge Sugai 先生による特別講演の準備がようやく終わりました。PowerPointスライドを日本語にし、渡辺弥生先生と協力して配布資料も別途作成しました。準備しながら、Sugai先生とメールをやりとりして、質疑応答もさせていた…

徳島ABA研究会:サマーフェスタで次の十年を

十年続けたサマースクールに区切りをつけ、今年は「サマーフェスタ」を開催した徳島ABA研究会に、ちょうど愛犬はるを連れて第二の故郷に帰省していた私も参加してきました。 サマースクールの当初の目的は、徳島県内で特別支援の仕事をしている先生方が事例…

『自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト―お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育』

“そらパパ”としてネットではよく知られている藤居学氏による療育支援本です。 自閉症児の親御さんが書かれた本にはご家族やご自分のことをリアルに書き綴ったドキュメンタリー風のものが多のですが、本書にはそうしたウェットな話はほとんどでてきません。最…

『ペアレント・メンター入門講座 発達障害の子どもをもつ親が行なう親支援』 自閉症をもつお子さんの親御さんには必読書かも。

親による親支援の本です。日本自閉症協会主催による「ペアレント・メンター養成研修」の教科書のような位置づけでしょうか。ノースカロライナ大学TEACCH部による類似の事業をモデルに日本の事情にあわせて開発されたプログラムだとのことです。 保護者同士の…

『家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46―自閉症の子どものためのABA基本プログラム』と『高機能自閉症・アスペルガー症候群への思春期・青年期支援―Q&Aと事例で理解する』 小中高から大学まで。

『家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46―自閉症の子どものためのABA基本プログラム』は低学年の指導(就学前から小学校くらい)、『高機能自閉症・アスペルガー症候群への思春期・青年期支援―Q&Aと事例で理解する』は中学、高校、大学での支援に使え…

『ポジティブ子育て 12のこころえ―発達凸凹の子のこころとことばを育む』 不思議本で、困惑しました。

不思議本です。 著者のプロフィールには「ABAセラピー」とあるし、第5章「困りごとへの対応法」には、機能的アセスメントの話とか、代替行動の強化について書いてあるし、トイレットトレーニング(本書では「トイレトレーニング」となっています)や共同注…

『親と教師が今日からできる 家庭・社会生活のためのABA指導プログラム―特別なニーズをもつ子どもの身辺自立から問題行動への対処まで―』と『ABAプログラムハンドブック―自閉症を抱える子どものための体系的療育法―』

応用行動分析学に基づいた療育プログラムに関する訳書を2冊(偶然か?どちらも明石書店から)。 『親と教師が今日からできる 家庭・社会生活のためのABA指導プログラム―特別なニーズをもつ子どもの身辺自立から問題行動への対処まで―』は、題目にもあるよう…

『ABA スクールシャドー入門ー特別に支援が必要な子どもたちを園や学校でサポートする親・セラピストそして先生のために』

「スクールシャドー」という言葉を、私はこの本で知りました。特別な支援が必要なお子さんに付き添って学校に行き、学習支援や生活支援をするサービス形態です。出口は計画的フェードアウト。 モデルとしては、いわゆる「支援付きインクルージョン(関連記事…

『「ママ」と呼んでくれてありがとう: 自閉症の息子と歩んだABA早期療育の軌跡』

自閉症児の親御さんが執筆された本を2冊紹介します。 『「ママ」と呼んでくれてありがとう』はまさに日本版の『Let me hear your voice』(わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子)です。お子さんが自閉症であるとわかったときから、ABAに出会い、療…

『はじめはみんな話せない-行動分析学と障がい児の言語指導』

読もう読もうと思いながら先延ばししていた本を読むのもこの一年間の目標の一つ。『日本語で読める行動分析学』も更新していきます。 まずは谷晋二先生の『はじめはみんな話せない-行動分析学と障がい児の言語指導』。一般読者にもわかりやすく書かれてはい…

【お知らせ】徳島ABA研究会 春の特別講座 『学校でここまでできる! 一人ひとりの子どもを伸ばす特別支援教育』

好例の春の特別講座の案内です。徳島の先生方が取り組んだ事例研究のポスター発表会と、今年は慶應義塾大学の松崎敦子氏(慶應義塾大学)による講演「応用行動分析に基づく早期発達支援:コミュニケーション発達に焦点を当てた支援プログラムの開発と地域へ…

【お知らせ】 早期療育~アメリカの事例と日本の課題・展望~(ADDS公開セミナー~自閉症支援者ネットワークをつくる~)

お知らせです。ADDSは1月の 「発達障害児のためのABA早期療育の現在」でも、半期ごとのフォーマルなアセスメント実施が際立っていました。竹島さんは私と同じWestern Michigan UniversityのMalott先生のところで学位をとられた新進気鋭の若手で、しかもずっ…

何を教えるべきか考えるときのヒントに:「萌芽的行動」("behavioral cusps")という概念

「発達障害児のためのABA早期療育の現在」でも会場から質問がありましたが、「どんな行動を教えるべきか」は発達臨床や教育において常に問題になるテーマです。徳島ABA研究会のスタッフの間でも、サマースクールの教材開発や事例研究の助言に取り組みながら…

公開講座「発達障害児のためのABA早期療育の現在」に参加して考えたことをまとめました。

NPO法人つみきの会主催の「発達障害児のためのABA早期療育の現在」という公開講座に参加してきました。我が子が発達障害児と診断されて療育機関を探していますという親御さんからメールを月に何件かいただきます。そのたびにどこを紹介すべきか悩んでしまう…

エピローグ(ポストローグ?): 特別支援教育における教育現場と研究機関の協働・連携 (2) 〜教員のパフォーマンス・マネジメントを支える組織づくりに向けて

わー。やっちまいました。特殊教育学会、初日のシンポジウム;「特別支援教育における教育現場と研究機関の協働・連携 (2) 〜 教員のパフォーマンス・マネジメントを支える組織づくりに向けて 〜。持ち時間と終了時間を把握せずに話し始め(指定討論)、気が…

フォローアップチェックリストを活用した地域の特別支援体制の改善を目指した取り組み

徳島県の県南部で取り組んでいる、地域における特別支援体制改善プロジェクトについて、特殊教育学会でポスター発表(写真は田中あ先生)。 3年めに突入したこのプロジェクト。予算はほとんどありませんが、先生方の熱意でここまでやってきました。 保育所や…

お知らせ:徳島ABA研究会 春の特別講座 『学校でここまでできる! 一人ひとりの子どもを伸ばす特別支援教育』

徳島ABA研究会からのお知らせです。今年はサマースクールのアドバンスコースとして私が関わった事例研究も発表されます。まだ手探りのアドバンスコースですが、研究者や研究者のタマゴ(大学院で行動分析学を研究している博士課程の院生やポスドクなど)が、…

魔法のプロジェクト:障がいを持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究

昨年末から探しているのだが,知的障害や発達障害をもったお子さん向けの優れたiPadアプリになかなか出会わない。 「ABA」をうたったMTS(見本合わせ課題)の学習プログラムもある。でも,作りが雑だったり,刺激が変更できなかったり,操作性が低かったりし…

【資料】 特別支援教育と応用行動分析学(動画ライブラリ)

[WorkItOut!!からの引越し案内] 徳島県の特別支援学校(当時の養護学校)で応用行動分析学に基づいた事例研究や研修を始めた頃に,今では考えられないくらい豪華な講師陣に講演していただいたときの記録です。ビデオの視聴にはAppleのQuickTimePlayerが必…

【お知らせ】 ADDS Winter Seminar 〜自閉症支援者ネットワークをつくる〜

山本淳一先生(慶應義塾大学)の研究室に在籍する院生さんたちが中心となって立ち上げた、発達障害児を支援するADDS(Advanced Developmental Disorders Support, NPO法人申請中)では、定期的にセミナーを開催しているそうです。発達支援に興味のある人、大…

【資料】行動分析学からみたTEACCHプログラム

[WorkItOut!!からの引越し案内] 今となっては化石的な資料ですが、一応、移転しておきます。「自立」や「自発的」コミュニケーション、構造化を学校に導入することなどについて、考えるべきこと、整理すべきことなどが蓄積してきています。いずれまとめな…

【資料】 特別支援教育で使えるデータベース:教材、事例研究、個別の指導計画

[WorkItOut!!からの引越し案内] 徳島県立国府特別支援学校とのコラボレーションで生まれ、発展し、いまだ活用されているデータベースです。 特別支援教育のための教材データベース 徳島県立国府特別支援学校の先生方による教材データベースです。発達障害…