自閉症児の親御さんが執筆された本を2冊紹介します。
『「ママ」と呼んでくれてありがとう』はまさに日本版の『Let me hear your voice』(わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子)です。お子さんが自閉症であるとわかったときから、ABAに出会い、療育を進めていくお母さん(と家族)の姿が描かれています。
診断や療育支援機関の不備や周囲の無理解や誤解、障害を受容することの難しさなど、同じ環境にいるお母さんたちにとって、共感できることがいっぱいあるのではないかと推測します。
あとがき的解説で井上雅彦先生が書かれているように、所々、え、大丈夫かなというところもあり、専門家のスーパーバイズなしに療育が進められていくときの危険信号も感じながら、それでも、お母さんが療育ママとして育っていく様子が目に浮かぶようで、感動しました。
「ママ」と呼んでくれてありがとう: 自閉症の息子と歩んだABA早期療育の軌跡 (学研のヒューマンケアブックス) 杉本 美花 学研教育出版 2012-09-11 売り上げランキング : 23110 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
こちらはお父さんが書かれた本です。かなり不思議な本。特に前半と最後はよくわかりませんでした。でも、私が個人的に知っている療育パパに共通する雰囲気は感じます。それは、とにかくよく調べ、勉強し、納得しながらでないと療育も進めないというところです。それが良いか悪いは別にして、療育パパにとっては(あるいは旦那さんが療育にまったく非協力的で日頃から不満がたまっている療育ママにとっても?)一読の価値があると思います。
リカと3つのルール: 自閉症の少女がことばを話すまで 東条 健一 新潮社 2013-02-18 売り上げランキング : 12855 Amazonで詳しく見る by G-Tools |