自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

匂いの記憶?:プルースト効果

少し前になるが、日経新聞のコラムでプルースト効果のことが取り上げられていた。 匂いが記憶を呼ぶ現象を「プルースト効果」という。名前の由来はフランスの文豪の大作「失われた時を求めて」だ。主人公の「私」は、紅茶で湿らせたマドレーヌを口にした途端…

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先週の更新回数は{4}回でした。

『新版 経済指標を読みこなす』

『新版 経済指標を読みこなす』朝日新聞経済部 (編集) 講談社現代新書 (1993/07) 先頃実施された国勢調査に関しては、その手続きや利用価値に関する疑問や批判が全国あちこちでわきあがった。 政府は国勢調査以外にも莫大な予算を投じてさまざまな統計をとっ…

連言の誤り

『最強のファイナンス理論』で紹介されている認知心理学の知見の一つ。“リンダ問題”と呼ばれる課題を引用して、行動分析学から解釈してみよう。 ここにリンダという名の女性がいるとする。彼女は31歳。独身で非常に知的で、はっきりものを言う女性である。大…

ハトに任せたらどうだろう?

UFJ銀行のATMに隠しカメラが仕込まれていた事件。 ATMには防犯カメラがあるのにもかかわず、リアルタイムでは監視されていないということが、全国的にバレてしまったという点で大問題だと思うのは私だけだろうか。 防犯カメラの映像から、引き出しや記帳など…

『最強のファイナンス理論−心理学が解くマーケットの謎』

「最強のファイナンス理論」とは、“ノーベル経済学賞に輝いた理論を生みの親とする新しい経済理論であり”(p.3)、その正体は、“心理学の知識を使って、金融市場の動向を解析しようとする”『行動ファイナンス理論』だ!というところを立ち読みして即購入。 …

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先週の更新回数は{5}回でした。

神戸市の通常学級への特別支援事業

徳島ABA研究会に関西学院大学から道城裕貴さんがゲストスピーカーとして登場。 神戸市が取り組んでいる、地域の大学と小学校の連携による通常学級への特別支援事業についてお話ししていただいた。 詳しくは徳島ABA研究会のHPに資料がアップされると思うので…

NINTENDO DSにおけるRFT

友達や友達の子どもが任天堂のDSに夢中だ。 ペンで操作するというところが新しい。ボタンを押す代わりにペンでタッチするというだけでは、どちらも selection-based な弁別反応で新鮮味がないのだが、たとえば多岐選択の場合、カーソルで移動してボタンで選…

『情緒障害教育研究紀要』

北海道教育大学旭川校・特殊教育特別専攻科(情緒障害教育専攻)の研究紀要。 主に卒業生や修了生でつくる北海道教育大学情緒障害教育学会の研究誌でもあり、近隣の学校で行われた事例研究がふんだんに掲載されている。 TEACCH の構造化の考え方や応用行動分…

自発的努力(Discretionary Effort)

去る7月の日本行動分析学会で開催された、ダーネル・ラッタル(Darnell Lattal)先生の http://www.hosei-shinri.jp/simamune/nature_human_and_science/2005/08/jaba2_133f.html">公開講座で話題になった『自発的努力(Discretionary Effort)』 について…

一対一対応を教える自立課題

各学校でコラボレーションプロジェクトの事例研究がスタートしている。今年は10の学校で60事例が展開中。進め方は各学校それぞれだが、教育支援アドバイザー派遣制度を活用し、午前中は授業観察を行ない、午後に事例検討会をするというパターンが定着化しつ…

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先週の更新回数は{5}回でした。

ネットの匿名性

「総務省がネットの匿名性を排除しようとしている」 -- ある新聞記事をきっかけにブログ界に広がった反響。総務省が「ネットに匿名性は不可欠」と弁明のようなコメントをだしたことで落ち着いたようではあるが、いろいろ考えさせられた。 というのも、ここ数…

学校教育への不満、4割以上。

子どもの学力向上に役立つのは塾や予備校と回答したのは70.1%。学校の方が優れているとしたのは、わずか4.3%。 現在の学校教育について満足しているのは13.0%。不満であるという回答は43.2%。 という新聞報道を読んで、文部科学省もようやくまともな調査…

『こんにちわ』撲滅委員会

面白いサイトを見つけた。 『こんにちわ』撲滅委員会とは「こんにちわ」表記撲滅のために戦い「こんにちは」表記を広く普及させようという趣旨のもとに設立された団体である。【2002年8月13日開設】 友だちとのメールのやりとりでは年甲斐もなく絵文字・顔文…

『世界がもし100人の村だったら』

何年か前に話題になった本。 「すべての富のうち6人が59%をもっていてみんなアメリカ合衆国の人です」など、50へぇ〜くらいの豆知識情報本だが、世界を測るいくつかの指標をプレゼンしている本としてとらえたら面白い。 「○○党のマニフェストにはこれからの…

個別の指導計画で「楽しむ」「味わう」をどう扱うか (4)

コラボをしている国府養護学校ではすでに個別の指導計画に通知表の機能を持たせることにしたそうだ。附属養護でも検討中らしい。 これらの養護学校では、学期初めに個別の指導計画を作成するのに多大な時間と労力をかけている。児童・生徒の実態把握、保護者…

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『のび太・ジャイアン症候群シリーズ』

のび太が自閉症?という流言の元かもしれないと思って読んでみたのが、このシリーズの第4弾−−『のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群—この誤解多き子どもたちをどう救うか』司馬 理英子・加藤 醇子・千谷 史子【著】主婦の友社。 ところが、…

教育工学に関する基礎的研究 : スキナーとティーチング・マシーンの理論化

珍品お宝発掘隊第3弾。 林 義樹(1990)教育工学に関する基礎的研究 : 第2章スキナーとティーチング・マシーンの理論化 中村学園研究紀要(人文・社会科学編), 22, 65-73. スキナーの生い立ちから、ティーチングマシンを開発するにいたった経過まで解説して…

祝!投票率UP↑

日本行動分析学会の理事選挙の開票速報が送られてきました。 選挙によって10名が選出され、残りの10名を互選することになります。ですので、最終的な顔ぶれは10/23(日)に明らかになります。その後、会員の皆さまには事務局から正式なお知らせがなされるは…

風水によるルール支配

青い財布は「金が流れていく」そうだ。テレビで風水の人が解説していた。私の財布はモンベルのブルー。どおりで貯金ができないわけだ。ちなみに赤い財布は「お金を燃やす」そうで、こちらもお金は貯まらない。貯めようとしたら黒い財布に変えるべきらしい。 …

風水によるルール支配

青い財布は「金が流れていく」そうだ。テレビで風水の人が解説していた。私の財布はモンベルのブルー。どおりで貯金ができないわけだ。ちなみに赤い財布は「お金を燃やす」そうで、こちらもお金は貯まらない。貯めようとしたら黒い財布に変えるべきらしい。 …

『行動分析学入門-ヒトの行動の思いがけない理由』

待望の新書判『行動分析学入門』登場! 望月昭先生(立命館大学)が評するように、まさに“1日で読める行動分析学の基礎テキスト”としてお奨めの一冊。 一つだけ気になったこと。 副題のとおり、本書では行動随伴性の考え方を“ヒトの行動の思いがけない理由”…

継続的な学習は大切な仕事のひとつです

このところ、教員研修の講師をするたびに、過去1ヶ月で仕事のための本を何冊読んだか、参加者の先生たちに尋ねることにしている。 特別支援教育コーディネーター研修とか自閉症など軽度発達障害に関する研修が多いので、そういう関係の本なら何でもいいとい…

心理学者B.F.スキナ-との対談

たまたま見つけた珍品論文(?)。お宝発掘隊第2弾。 橋本茂(1994)心理学者B.F.スキナ-との対談 明治学院論叢, 542, 63-83. 社会学者のG.C.ホーマンズによるスキナーへのインタビューの邦訳。オリジナルは Homans, G. C. (1977) A conversation with B.F. Sk…

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『高機能自閉症、ADHD、LDの支援と指導計画』

通常学級に在籍する軽度発達障害児への支援に学校をあげて取り組んだ東京都文京区駒本小学校の研究報告書。 校内委員会をいかに機能させるか、そして個々の子どもたちをいかに支援するか、チェックリストや指導内容(教育課程)、指導方法など、先生たちがす…