自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

心理学者B.F.スキナ-との対談

たまたま見つけた珍品論文(?)。お宝発掘隊第2弾。

橋本茂(1994)心理学者B.F.スキナ-との対談 明治学院論叢, 542, 63-83.

社会学者のG.C.ホーマンズによるスキナーへのインタビューの邦訳。オリジナルは Homans, G. C. (1977) A conversation with B.F. Skinner, Psychologist. Harvard Magazine. ということだが、まず、雑誌記事の翻訳文が論文になっていることに驚いた(こんなのあり?って感じで)。

内容は、もし人間行動が「自由意志」ではなく遺伝や過去の学習や現在の環境などによって決まるなら「責任」の所在はどこにあるのか?とか、“ウォールデンツー”のようなユートピアは実現可能なのか?とか、利他的行動はどのように生まれるのか?など、哲学的な話題に関する会話がほとんどで、まとまりはない。

ですます調とである調が混在した訳文もフシギな雰囲気を醸し出している。

スキナーが自らの愛児を「エアクリブ」というベビーベッドで育てたことに対する誤解や根拠のない噂話のこともでてきて、トリビア情報としては面白かったかな。