自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46―自閉症の子どものためのABA基本プログラム』と『高機能自閉症・アスペルガー症候群への思春期・青年期支援―Q&Aと事例で理解する』 小中高から大学まで。

『家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46―自閉症の子どものためのABA基本プログラム』は低学年の指導(就学前から小学校くらい)、『高機能自閉症・アスペルガー症候群への思春期・青年期支援―Q&Aと事例で理解する』は中学、高校、大学での支援に使え…

『ポジティブ子育て 12のこころえ―発達凸凹の子のこころとことばを育む』 不思議本で、困惑しました。

不思議本です。 著者のプロフィールには「ABAセラピー」とあるし、第5章「困りごとへの対応法」には、機能的アセスメントの話とか、代替行動の強化について書いてあるし、トイレットトレーニング(本書では「トイレトレーニング」となっています)や共同注…

『親と教師が今日からできる 家庭・社会生活のためのABA指導プログラム―特別なニーズをもつ子どもの身辺自立から問題行動への対処まで―』と『ABAプログラムハンドブック―自閉症を抱える子どものための体系的療育法―』

応用行動分析学に基づいた療育プログラムに関する訳書を2冊(偶然か?どちらも明石書店から)。 『親と教師が今日からできる 家庭・社会生活のためのABA指導プログラム―特別なニーズをもつ子どもの身辺自立から問題行動への対処まで―』は、題目にもあるよう…

恥ずかしい英語とおさらばのGingerさんに門前払い?

Gingerは、独自にオンライン上でネイティブが使う5億もの英語のフレーズを解析。解析に基づき、ネイティブのような英文にリフレージング(英文の最適化)を行い、シノニム(同義語)を文脈から正しいものを判断できるシステムを開発しました。このため、通常…

星槎大学、共生、杉山尚子先生、ヱヴァンゲリオン: そのココロは「仙石原中学校」

(Gigazinより拝借した仙石原中学校の写真です) 深夜にすごいニュースが飛び込んできました。 この4月から杉山尚子先生が星槎大学に着任されました(ちなみに、杉山先生には今年度、サバティカル中の私の替わりに法政大学にて「行動分析学」と「行動分析学…

『ABA スクールシャドー入門ー特別に支援が必要な子どもたちを園や学校でサポートする親・セラピストそして先生のために』

「スクールシャドー」という言葉を、私はこの本で知りました。特別な支援が必要なお子さんに付き添って学校に行き、学習支援や生活支援をするサービス形態です。出口は計画的フェードアウト。 モデルとしては、いわゆる「支援付きインクルージョン(関連記事…

『「ママ」と呼んでくれてありがとう: 自閉症の息子と歩んだABA早期療育の軌跡』

自閉症児の親御さんが執筆された本を2冊紹介します。 『「ママ」と呼んでくれてありがとう』はまさに日本版の『Let me hear your voice』(わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子)です。お子さんが自閉症であるとわかったときから、ABAに出会い、療…

おかげさまで"増刷出来"です: 《心》に答えを求めるな!の本。

おかげさまで、非常にスローなペースで、でも継続的に売れてはいるそうで、このたび増刷となりました。お買い上げいただいた読者の皆さんに感謝致します。 編集者のKさんから「増刷出来」というキーワードをいただいたときに、「出来ました」の「ました」を…

再びMountain Lionへ(DEFENDER F200+BIO問題がなんとなく解決)

イメーションのDEFENDER F200+BIOがMountain Lionに対応していないせいでLionにとどまっていましたが、久しぶりに検索したら、どうやらこの問題の対策が見つかったようです。 製品ページに※MacOS 10.8 は対応しておりません。対応については検討中です。※但…

『はじめはみんな話せない-行動分析学と障がい児の言語指導』

読もう読もうと思いながら先延ばししていた本を読むのもこの一年間の目標の一つ。『日本語で読める行動分析学』も更新していきます。 まずは谷晋二先生の『はじめはみんな話せない-行動分析学と障がい児の言語指導』。一般読者にもわかりやすく書かれてはい…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その6)お留守番

「はるちゃん、いい子ですね。おとなしいし、かわいいし」と、あちこちで言われます。めちゃ、嬉しいです(←親バカ 笑)。 散歩中、他の犬や人に吠えることはまずないですし、犬を散歩させている飼い主さんには安心して近寄って行って愛想を振りまきます。病…

国民生活選好度調査:11段階評定だっつーの。内閣府さん、修正お願いしますよぉ。

2009年から内閣府が3年間行った「国民生活選好度調査」。 3年間の報告書、ずっと「10段階評価」って書いてあるんだが、「とても幸せ」を10点、「とても不幸」が0点なので、どう考えても「1011段階評価」です。 引用しにくいじゃないかい(つか、どうやって引…

9月の日本心理学会第77回大会にて「チュートリアルワークショップ:日常生活に活かす応用行動分析学」をお引き受けすることになりました。

9月の日本心理学会第77回大会にて「チュートリアルワークショップ:日常生活に活かす応用行動分析学」をお引き受けすることになりました。 大会会長の坂野雄二先生ら準備委員会の先生方のご提案で、日心では初となる研修型ワークショップだそうです。 会員の…

お祝い: 学習管理SNS「Studyplus」の会員数が10万人突破!

「PR費を除き広告費を一切使わずに会員数10万人突破」というのだからスゴい。 学ぶことへのモチベーションが存在すること、学習支援サービスにニーズがあること、ネットを介した社会的随伴性が学習継続に効果があり、こうしたソーシャルネットワークサービス…

久しぶりに身をもって学んだ「学び手はいつも正しい」:座椅子のカバーは「−1」で。

日曜、テニス仲間に頼んで、はるとの散歩の様子を録画してもらいました。山本先生に近況をご報告し、フィードバックをいただくためです。この話はまたいずれ。 もう一人の友達には、散歩に行っている間に、洗濯するので座椅子のカバーをとっておくよう頼みま…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(番外編1) 座卓、座卓(改1)、座卓(改2)、そしてテーブルへ。

はるを迎えるために、徳島時代から使っていた巨大な円卓を処分し、長さを変えられる座卓を購入しました。居間にサークルをつくるため、また、一緒に遊べる空間を確保するためです。 ところがサークルを開放して居間で遊べるようにすると、問題が生じました。…

台所の棚卸しでわかる、ふと買ってしまい、気がつくと賞味期限を過ぎている食品や、一度も使わず処分することになるもの、の行動随伴性。

胡麻のふりかけ、鮭フレーク、岩のり(瓶詰め)...スーパーで見かけた瞬間は作用している確立操作(遮断化)が、一、二度、ご飯にかけて食べることで飽和化してしまうケース。次に遮断化が作用してくる前に賞味期限をむかえる。一人暮らしには量が多すぎるっ…

新人作家の小説に「確立操作」が登場!?

正月に読んだ『ノワール・レヴナント』という作品で気になっていた新人作家の第二弾『フラッガーの方程式』が発売となり、さっそく読んでみました。 没入、他になんもする気なし.... 数時間後、うるうるしながら読了。 周到にはりめぐらされた伏線が次々と回…

NHK「あさイチ」の「気になる!?"クセ"大研究」(4/3放送分)の捕足情報です。

4/3(水)のNHK「あさイチ」の「気になる!?"クセ"大研究」で解説した「習慣逆転法」(habit reversal)に関する補足情報です。前半は専門家向け、後半は一般向けです。 「習慣逆転法」は応用行動分析学の第一世代にあたるAzrinが開発した行動修正のための介…

馴化といえば「自動でシュパッと消臭プラグ」。でもコトはそう単純でもない。

飼い猫の馴化が東大の先生が考えるほど単純ではないように、我々ひとの馴化もよくよく考えるとそう単純ではない。 半年くらい前に自宅のトイレにエステーの「自動でシュパッと消臭プラグ」を導入した。散歩から持ち帰った愛犬はるのうんちがめちゃくちゃ臭か…

「ネコは飼い主の声を聞き分ける」の研究に一言、ふたこと。

「ネコは飼い主の声を聞き分ける」 東大調査に「確かに」「犬より律儀」の声ネットで喧々諤々のこの研究の元論文を読んでみた(どのように喧々諤々かは各自お調べ下さい)。Saito, A., and Shinozuka, K. (2013, March 26). Vocal recognition of owners by d…