自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その14)雨の日も運動量を確保する(臭気訓練)

散歩でしっかり運動させることが、健康のためにも、ストレスをためないためにも重要ということは、雨の日や私の帰りが遅くなったりしてどうしても十分に運動できなかった日に実感します。パソコンの前で仕事をしている私のところに、ひっぱりっこのタオルの…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その13)運動量を確保する

犬を飼おうと思ったとき、忙しい毎日の中で、果たしてちゃんと散歩に行けるのか、それを検討するのに、どのくらいの時間が必要になるのか調べていました。 散歩時間は30分から1時間と書いてある本が多く、ネットの“犬博士”さんには1ー2時間という強者もいまし…

ベネッセの取材:「くせ」に関する記事が「Benesse教育情報サイト」に掲載されました。

NHK「あさイチ」からのスピンオフ(?)でベネッセから受けた取材が記事になって公開されています。 気になる「くせ」とどう向き合う?【前編】減らしたい「くせ」を直すには 気になる「くせ」とどう向き合う?【後編】望ましい生活習慣をつけるには 「くせをそ…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その13)「信頼するということ」

名言〔第18位〕:「信頼するということ」 解釈: 部下がリーダーについていくかどうかは、リーダーの言行一致度とその一貫性にかかっている。言語行動と非言語行動が一致していること(やるといったことをやる、やらないといったことはやらない)、一致した…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(12) 室内の移動を強化する

家の中で移動させたいときに「おいで」が使えなかったり、使いたくないこともあります。 「おいで」と呼んで犬が来たときに嫌なことがあると、「おいで」と呼んでもこなくなるということは、しつけの本によく書いてあることです。爪切りとかシャンプーとか、…

行動分析学から心理学の基礎概念を解釈する(その10):両眼視差と奥行き知覚

定義: 「左右単眼像のずれを両眼視差、この情報を利用した相対的奥行き知覚を、両眼立体視という」(『キーワードコレクション 心理学』(新曜社), p. 88)。 行動分析学的解釈: 奥行き知覚とは事物への距離がその事物に対する行動を制御する刺激性制御で…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その12) 「対立なければ決定なし」

名言〔第19位〕:「対立なければ決定なし」 解釈: (「反対意見がでない案件は採用すべきではない」と主張する真意がわからないので、あくまで予測ですが)企業の経営を左右する案件については、賛成/反対の両方の意見表明を明示的に強化する随伴性を準備し…

マロット先生とBehaviordeliaとオンデマンド印刷サービス

先月、プライベートで日本に遊びに来ていた師匠のDick Malott先生と東京駅で落ちあい、食事をしました。 色々、積もる話をしましたが、そのとき、かつてマロット先生が運営していた Behaviordelia という出版社の話になりました。 "キャプテン コンマン"で有…

「人はなぜ変な声の人をまねするのでしょう?」について

4ー5年前にメールで受けた取材です。この人の対応は丁寧でした。結局、番組にも謝金にもなんにもつながりませんでしたが、時効でしょう。ご本人の許可なく、公開します(笑)。 A氏からの問合せメール(抜粋)突然のメールにて、失礼致します。私ども、○○○の…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その11) 完食させる

アレルギー問題でフードには苦労しているうちの犬ですが、記録更新を続けていることもあります。それはフードの完食です。 栄養たっぷりで、人が匂いをかいでも食欲をそそるAFC特製生食でさえ残していたはるですが、現在、完食それも瞬食の記録更新中。 フー…

家事の罠

家事の時間が足りない(?) 総務省の調査では女性が家事をする時間は2011年で1日3時間35分と06年からさほど変化していない。一方で江崎グリコの調査では20〜30代の既婚女性のうち63%が「家事の時間が足りない」と回答している。思うように進まない「時短…

ベネッセの「大学生の学習・生活実態調査」について考えたこと

大学生、親にべったり 少子化+就職難が影響 (記事の題目とは別件ですが) 大学生活でも受け身姿勢が目立つ。「教員が知識を一方的に教える講義形式の授業がよい」とした学生は83.3%に上り、「発表などをする演習形式」の16.7%を大幅に上回った。(日本経…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その11) 「明日のために今日何をなすか」

名言〔第20位〕:「明日のために今日何をなすか」 解釈: 経営に影響する、将来の景気や経済・社会環境を起こりえる行動随伴性の変化として予測することも重要であるが、予測だけに終わっては意味がない。 必要なのはそのような変化に対応できる、今日できる…

「エルスバーグのパラドックス」まさかの都市伝説?(未確認情報)

今日の日経新聞の経済教室(神経経済学)で大阪大学の田中沙織先生が紹介している「エルスバーグのパラドックス」。人の曖昧性回避傾向を示す実験として、あちこちで引用されているが、実験の詳細が少しずつ違う。 そこで原著で確かめようと調べたのだが、な…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その10) 玄関のピンポンに吠えるのを止める

元々、シェルターで何十頭もの犬や猫や馬や亀と暮らしていたときも、ほとんど吠えなかったらしい、うちの犬ですが、玄関のチャイムに対してはすぐに吠えるようになってしまいました。 経緯は覚えていないのですが、おそらく最初は来客に対して吠え、次第に、…

はるがきた:やんちゃな小犬の子育日記(その9)排泄の間隔を徐々に延ばす

中学生の頃、実家でマルチーズを飼っていました。成犬を譲渡してもらった犬で、名前は「ルナ」。 あの頃は、行動分析学も知らなかったし、しつけの本を読みあさるってこともなくて、たまたま図書館でみかけたしつけの本に書いてあったことをやってみてました…

大学入試改革:基本路線は賛成だが、もう一声(二声....)

入試、30年ぶり大改革 学力向上を大学期待(日本経済新聞, 2013/6/7) 文部科学省が導入を検討する新たな全国統一試験「到達度テスト」は高校在校中に複数回チャレンジできることが大きな特徴だ。 個人的には以前から提案してきた方向に一歩前進なので嬉しい…

納税の随伴性をポジティブに整備できる可能性? WHERE DOES MY MONEY GO? 「〜税金はどこへ行った?〜」

Where Does My Money Go?とは? あなたの年収のうちいくらが市税や町税で、それらが何の目的に使われているのか、1日当たりの金額で可視化するWEBサービスです。 このサービスを立ち上げた目的は、納税者である国民一人ひとりが、支払っている税金の使われ方…

行動分析学から心理学の基礎概念を解釈する(その8の番外編):チンパンジーのメタ認知

Twitterで流れていて面白そうだったので、Beran et al. (2013)を読んでみた。Michael J. Beran, M. J., Smith, J. D., and Perdue, B. M. (2013). Language-Trained Chimpanzees (Pan troglodytes) Name What They Have Seen but Look First at What They Ha…

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その10) 「顧客にとっての価値」

名言〔第21位〕:「顧客にとっての価値」 解釈: 企業や組織の生存はその活動を強化する顧客の行動によって決定する。顧客の行動は企業や組織から対価を支払って受取る商品やサービスによって強化される。すなわち、好子消失による弱化を上回る好子出現によ…

学校での安全確保と教育委員会がすべきこと

重体の高3男子死亡、サッカーゴール下敷き 千葉県茂原市の県立茂原樟陽高校で、倒れたサッカーゴールの下敷きになり意識不明の重体だった3年の男子生徒が、30日午後2時50分ごろ、搬送先の県内の病院で死亡した(日経産業新聞, 2013/5/31)。 またしても悲…