自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その12) 「対立なければ決定なし」

名言〔第19位〕:「対立なければ決定なし」

解釈:
 (「反対意見がでない案件は採用すべきではない」と主張する真意がわからないので、あくまで予測ですが)企業の経営を左右する案件については、賛成/反対の両方の意見表明を明示的に強化する随伴性を準備して、賛否両論の根拠をできるだけたくさん浮き彫りにし、十分な情報を得た上で決定を下すべきである。

 例:経営者やリーダーの意見が無批判で通る会社には、正統な反対意見の表明を弱化したり、消去する随伴性が存在する可能性が高く、そういう環境では的確な意思決定に必要な情報(弁別刺激、警告刺激、ルールなどなど)が入手不可能になるリスクが高まる。

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