AAMR(アメリカ精神遅滞学会)が刊行している人気シリーズ「リサーチから現場へ」の日本語翻訳版、第3段め。
PBS(Positive Behavior Support)の枠組みから、どうすれば個人の生活の質を向上させる行動支援計画が作成できるかを分かりやすく解説している。
個別の教育支援計画や個別移行支援計画を作成するのに読んでおくといい一冊。
表紙の解説からは、この本は応用行動分析の本ではないと誤解を生むかもしれないが、そうではない。ABC分析(機能的分析)を基本にした正真正銘の応用行動分析本である。
本文中には、たとえば問題行動を減らす手法として、タイムアウトなどの弱化の手続きを使うのが「従来の応用行動分析」、同じ機能を持つ、より社会的に望ましい代替行動の強化を進めるのがPBSの特徴であると区別する記述があるが、これは誤解を生む表現だと思う。応用行動分析学は「手法」ではないのだから。
正確には「PBSは、応用行動分析学をベースに開発された行動支援、生活支援、教育支援のためのパッケージであり、嫌子よりも好子を、弱化よりも強化を、望ましくない行動よりも望ましい行動により力点を置く手法を組み合わせている」ではないだろうか(もちろんあくまで私見です)。
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