自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

もしドラッカーが行動分析家だったら:ドラッカーの名言を行動分析学から解釈する(その19) 「教える組織を作る」

名言〔第12位〕:「教える組織を作る」

解釈:
 QCサークルTQC、TQMなど、QC活動の成功事例からわかるように、「教える」行動が強化される随伴性は「学ぶ」行動の確立操作として機能する。これは、ゼミを発表当番制で運用すると、毎回最も学ぶのは発表者だったり、社内/校内研修の講師を社員/教員が担当すると、最も学ぶのは講師になった社員/教員だったりするのと同じである。
 社員間の学び合い(学んだことを教える)が自発され、強化される機会を設定することで、上意下達に凝り固まったコミュニケーションだけではなく、現場から意見を吸い上げることもできる柔軟な組織運営が可能になる。

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