だめ犬しつけ王選手権を観て、なんとなく気になって読み返した。
ペットのしつけのハウツー本ではなく、ハウツーの原理である行動の科学をわかりやすく解説した本だ。
動物のしつけの90%はオペラントだろうって自分なんかだと思ってしまうところだが、まずレスポンデントの解説から始まり、すべてをできるだけレスポンデントででも説明しようとする姿勢を最後まで維持しているところに中島先生らしさがでている。
たとえば、パブロフの以下のような実験が紹介されている。
パブロフらは、円と楕円の区別を、古典的条件づけの分化条件づけ手続きで犬に訓練しました。犬がこの2つの手続きを区別できるようになったら、楕円を少し円に近くして、訓練を継続します。これができるようになったら、楕円をさらに円に近づけます。この訓練を繰り返し、円と区別できないところまで楕円を円形にしていったところ、急に犬は吠えたり暴れたりし始め、初めに学習できていた2つの刺激の区別もできなくなりました(p. 48)。
オペラントで課題が難しくなって強化率が低下すれば逃避行動や攻撃行動が自発されやすくなることはよく知られているが、レスポンデントでも同様の現象が起こるとは知らなかった。
勉強になります。
![]() | アニマルラーニング―動物のしつけと訓練の科学 中島 定彦 ナカニシヤ出版 2002-05 売り上げランキング : 80,639 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |