自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

すべての子どもを支援する

今年の日本行動分析学会年次大会では『特別支援教育行動分析学はどう貢献できるか?

『教育現場からの提案 ?』というタイトルの公開シンポジウムが開催された。

川崎市立東菅小学校の取り組みを小野學先生が、守谷市松前台小学校の取り組みを藤田直子先生が話題提供して下さったのだが、両学校での実践に共通していたのは、

障害の有無に関わらず支援の必要なすべての子どもを支援する

ということ。

しかもこの骨太の方針を学校の先生たちは自分たちで話し合って決めたということだ。

この定義は、ある意味、アメリカの「No Children Behind」法の主旨に通じるものがあり、日本の文部科学省の定義(軽度発達障害を持った子どもの支援に限定)より先進的で、何より現場のニーズにそったものだと言える。はっきりとした障害を持っていなくても特別な支援が必要な児童・生徒はたくさんいるから。

こういう学校がある。こういう先生たちがいるという事実は、ほんとうに嬉しいことだ。

自分は極端に楽観的な方だけど、その楽観さに加速がかかりそうです。