いよいよ卒論もラストスパート。ゼミの皆さん、執筆にあたっては、わかりやすい文章を書くことを最優先して下さい。文章一つひとつをできるだけ短く書くのがコツです。
皆さんにとって、卒論は、作文技術を系統的に学べる最後のチャンスかもしれません。わかりやすい文章を書く力は就職後に必ずや役に立つ武器になります。ここでひと頑張りして作文力をつけて下さい。
ゼミ生からの質問に答え、これまで読んで、使ってみて、役に立ったという実感のある本を列挙しておきます。自分が卒論を書いた数十年前から較べると、いまや本屋には「作文技術」のトレーニング本が山と積まれています。ですから、ここに挙げた本以外にも、本屋で立ち読みしてみて「これなら」という本があれば使ってみて下さい。使えそうな本を選ぶ基準としては、(1) わかりやすく正しい文章を書くルールが明確に記述されているかどうか、(2) それぞれのルールに適合した例文と適合していない例文が豊富に掲載されているかどうか、(3) 例文の内容が自分の興味にあっているかどうかなどが考えられるでしょう。
最近では心理学のレポートや論文作成に特化した本もでているようですので、この機会に私も少し取り寄せて調べてみますね。
これは自分が卒論を書くときに読んだ本です。もはや古典です。
理科系の作文技術 木下 是雄 中央公論新社 1981-01 売り上げランキング : 3225 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは自分が修論を書くときに参考にした本です。これも古典です(^^;;)。
短文・小論文の書き方 宇野 義方 有斐閣 1978-08 売り上げランキング : 393984 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは自分が社会人になってから読んだ本です。ルールが豊富で、例文も多く、私のイチオシ本なのですが、残念ながら入手困難のようです。興味があれば研究室内で閲覧して下さい。
日本語の文章術―文章の書き方百科 小論文からビジネス文まで 奥秋 義信 創拓社 1993-03 売り上げランキング : 782947 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは学生や院生に紹介することが多い本です。新書なので価格が手頃であること、例文が比較的簡単で練習課題が多いからですが、勧められて本を購入しただけだと練習問題をやらずに読むだけで終わる人が多く、それだとあまり効果はないようです。
日本語練習帳 大野 晋 岩波書店 1999-01 売り上げランキング : 26236 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
以下の2冊は作文技術に関するものではありませんが、「分かりやすさ」ということと、自分の考えを人に「伝える」ことの本質をついたガイドブックとしておすすめです。卒論も結局はコニュニケーションです。だから、常に読み手のことを念頭に置いて、配慮、工夫することが重要です。
これもかなり古い本となってしまいました。でもそのスピリットはまだ健在(使えます)。
発表の技法―計画の立て方からパソコン利用法まで 諏訪 邦夫 講談社 1995-12 売り上げランキング : 65430 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
人に何かを伝える仕事に就くなら必読書です。そして、人に何かを伝えることが全くない仕事というのは極めて少ないですよね。
「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール 藤沢 晃治 講談社 1999-03 売り上げランキング : 5958 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |