ソニーBGMというレコード会社が欧米で発売した音楽CDに、パソコンのOSをユーザーに知らせずに書き換えてしまう「rootkit」というウィルスに似たプログラムが組み込まれていたらしい(MacPeople 2006.2, pp. 202-203)。詳しい事件の経緯はWikiPediaなどを参照していただきたい。
すでに訴訟問題になっていて大きな事件に発展しているのだが、日本のマスコミはほとんど報道していない(不思議だ)。
今後、TVの地上波もデジタル化されることで、日本でも、どうやって著作権を保護し、どこまで利用者の権利を認めるのかといった議論がオープンになされていくべきだろう。
自分の場合、授業や講習会用に作成した教材はほどんどwebで公開している。国立大学の教官の給料の出所は結局のところほとんどが税金であるから、少しでも還元しようと思ってのことだ。
だが、そういう教材を元を引用することなく無許可で借用している人や本などをたまたま発見すると、ちょっと複雑な気持ちになる。特に、その人がそれをご自分のオリジナルとして使っていたときには気持ちが悪くなりもする。
デジタル時代には、自分が手間ひまかけて作ったものを再利用できないような強固なしばりをかけるか(ソニーBGMやデジタル放送を1回しかコピーできないようにする制限など)、もしくは、他人に使われることが、嫌子ではなく好子になるような価値観の変容(GPLライセンスのような)が必要なのかもしれない。