自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

遅延しすぎのETC

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久しぶりに仕事を忘れて小旅行。明日から3日間。九州方面に温泉三昧。

ふと愛車にETCを付けることを思いつく。確か高速料金の割引があったはずだし。

ところが○ートバ○クスやイ○ロー○ットに電話して聞いてみると、ETCは1時間ちょっとで取り付けられるけど、カードはクレジットカード会社に申し込みが必要で2~3週間はかかるとのこと。つまり、明日からの旅行には使えない。なんだこの強化の遅延は!! と思ったけど、冷静に考えれば遅延だけで「塵も積もれば山となる型」でも「天才は忘れた頃にやってくる型」でもないから行動は自発されるはず。

おかしいなぁと思ってダイアグラムを書いてみた。

A:先行条件 B:行 動 C:結 果
明日から旅行 ETCを取り付ける 明日からの旅行ではETCは使えない(↓)
来月行くかもしれない旅行では使えるかも(ー)


つまり、ETCカードの好子としての機能はあくまで「明日からの旅行」という確立操作による一時的なもの。来月以降にあるかもしれないし、ないかもしれない旅行については確立操作が働かない。

自分のように高速道路はたまにしか使わない人にETCを購入させようと思ったら、こういう「思いったら」の随伴性がうまく利用できるように、即時強化を提供しないと(店に行ったらすぐに使えるようになる)、普及は進まないとみたり。