パチンコ屋はなぜ儲かるのか? 大西さんはVR強化スケジュールの特性として分析している。
ギャンブルを強化スケジュール(特にVR)の例として解説する行動分析家は多い。
だが『行動分析学入門』9章の展開編で分析しているように、コトはそんなに単純ではない。
パチンコのあたりはずれの仕組が何らかの強化スケジュールであることには間違いないが、そのスケジュールはとても複雑である(最近のマシンはすべてコンピュータ制御で確率を変動させている)。
それに、パチンコを常習している人の行動を観察していると、重要なのは打つ(とはいってももうかなり前からハンドル式だし)行動よりも、攻略を練る行動のようである。
コンビニの雑誌コーナーに、あれだけたくさんの攻略本がでていることからもわかるように、常習者は常に「どんな台をどう打てば出るか」を考えている。
打ち方についてはほとんどルール支配行動だと言っていいだろう。
パチンコの台を設計する方も、標的行動はそっちを重視しているのではないだろうか?
つまり、いかに考えさせるか、ということ。
パチンコを打ちに店にくるのはそれを試しにくるだけ。たとえ負けても、考えていたことの一部が当たっていれば強化されてしまう。
ちなみにスキナーは、税金を課せられればカウンターコントロールで不平不満を言う市民でも、(公営)ギャンブルなら、“気持ちよく”“自分の意志で”納税してくれるだろうと分析している。
いずれにしても、いよいよ巧妙な集金随伴性であることに間違いはない。