自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

本日発売開始『応用行動分析学』のワードマップ(図)を公開します。

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 本日発売開始の『応用行動分析学 --ヒューマンサービスを改善する行動科学--』を書き始めるときに作成した。"ワードマップ"です(クリックすると拡大します)。
 本書は,新曜社から出版されている,その名もズバリ「ワードマップ」シリーズの一冊です。そういうわけで,まずは応用行動分析学の概念や用語を視覚的に整理して,それから体系的に書いていこうと奮起しました。
 この図も本に掲載したかったのですが,それは断念。「ワードマップ」シリーズでは,原則,図は注釈に入れ込むことになっていて,通常の本より広くとってあるとはいえ,さすがにこの大きさの図を注釈欄におさめることはできず,かといって見開き一頁を使ったとしても文字の大きさが判読可能とはならなかったからです。
 他にも掲載を断念した図があります。この本を書くにあたって,日本語で出版された行動分析学関係の図書を調べ,本の題名で累積グラフを作りました。これについて通常の累積グラフは掲載しましたが,元になった書名入りの大きなグラフはすでに公開しています(この記事を参照)。
 体系的に書くべしと意気込んだスタートでしたが,それに拘るととても読みにくい本になることもわかってきました。教科書的な本によくある,最初の数章が一番難しく,初学者にはつまらなくて,読み続ける読者をわざわざ減らしてしまう,あの典型的なパターンにはまってしまうのです。
 そこで,用語解説的な要素は残しつつ,物語的な展開も取り入れて,読み物として成立するように工夫しました。四部構成で,難易度的にハードルの高い「行動の諸原理」は第三部です。場合によってはここを読み飛ばしてもらっても,本書の大枠はつかんでいただけるはずですし,まずは実践の話からという方は,第四部から読んでいただければと思います(編集者のMさんがしっかり索引をつけて下っています)。
 ところで,このブログ,実は本書の執筆のため,2014年から更新を中断していました。その間,世の中にはTwitterやらFacebookやら、最近ではエッセイを記事ごとに課金するシステムまで登場しています。新元号「令和」も発表され,おそらく「ブログ」というコトバそのものが"平成的"と評されることになっていくことでしょう。
 このまま放置しておいても誰も気にはしないとは思いつつ,本の執筆も終わりましたので,更新を再開します。Twitterではつぶやききれなかったこと,最近取り組んでいる研究や実践などについて,ぼちぼち書いていこうと思います。