「カラスは顔で男女を見分けているか?」という記事に杉山尚子先生からコメントをいただきました。スキナー箱でのカラスの表情弁別は慶應の渡辺先生と帝京に移った草山先生がやってらっしゃったはずだと。
さっそくCiNiiで調べると、動物心理学会の発表論文集にこの系統の研究がみつかりました。
YES。カラスの行動もスキナー箱で研究されていました。
YES。男女どころか「笑顔」と「真顔」の弁別もできるようです(口元を手がかりにしているらしい)。
YES(/NO)。動画を使った視線移動の弁別訓練も行われていましたが、表情の静止画より難しいようです(むしろ視線の移動と同期する頭の動きを手がかりにするみたい)。
並列VI強化スケジュールを使って反応分化率を弁別の指標にとるこういう方法って、新生児や乳児の発達研究にも適用できる実験方法だと思うんだけど(箱に入れるって意味じゃないよ)、なかなかそういう研究がでてきませんね。
以下、参考文献です。
- 草山太一・渡辺 茂(2004)カラスにおけるヒトの視線弁別 動物心理学研究, 54(2), 120.
- 草山太一・渡辺 茂(2003)カラスにおけるヒトの表情認知 : 3次元模型・実際の人物を用いた検討 動物心理学研究, 53(2), 99.
- 草山太一・渡辺 茂(2002)カラスにおけるヒトの表情認知 : 部分遮蔽の効果 動物心理学研究, 52(2), 126.
そういえば草山先生には2年前非常勤でお世話になりました。奇遇ですねぇ。