自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

『あっ、買っちゃった。 一瞬でお客に反応させる快感マーケティング』

レシート調査という手法に興味があった読んでみた本。

レシートにはいつどこで何を(何と一緒に)買ったなど、購買行動に関して重要な情報が満載されている。これを同一個人について収集していくことで、従来のインタビューなどによる聞き取り調査よりもリアルな購買行動の情報を得られるということ(らしい)。

女性は論理よりも感性で商品を選ぶとか、自分が欲しいものだけじゃなくて人に買ってあげたら喜ばれる(and/or 一緒に楽しめる )という点も重要であるなど、面白い視点もあった。

前者は、商品の機能的な価値(instrumental な強化力)だけではなくで、嗜好的な価値(hedonicな強化力)を検討すべしということだろうし(当然、商品カテゴリーによってその配分は変わってくるだろうし)、後者は自らの行動に関する言語行動よりも、行動そのものを測定した方が妥当性の高いアセスメントができるということだ(特に言語行動と行動との随伴性が異なる場合には)。

Geniiで検索してみたけど、こういう手法を使っている学術研究は見つからない。ゼミ生の卒論テーマとして提案してみようかな。