自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

江戸しぐさ

Edosigusa

地下鉄の構内でよくみかける「江戸しぐさ」のポスター。公共広告機構によるマナーアップキャンペーンだ。

雨の日にすれちがうときには「傘かしげ」、長いすなどに座っているときに後から人がやってきたら腰をうかして空間をつくる「腰浮かし」など、ぎくしゃくしがちな都市生活を気持ち良く過ごすためのマナーが紹介されている。

調べてみると、江戸時代、人口が爆発的に増加した江戸の街を過ごしやすくするために、商人のリーダー達が考案したマナーで、その数は八千以上あるらしい(ただいま資料を取り寄せ中)。

江戸っ子の「粋」を守るために、あえて文章化はしなったというから、いったいどうやってこのルールを普及させ、行動をマネジメントしたのか(ほんとうに庶民の行動がこのルールの支配下にあったのかどうかも含めて)、とても興味深い。

でも確かに自分が子どもの頃にはまだこうした粋な習慣が残っていたように思う(そんなに昔じゃないけど)。

イライラしてすぐにキレる人が多く、街で出会う人と人の関係が殺伐としている現代、ぜひこの江戸しぐさを復活させたいなぁと思う今日この頃です(巨大パフォーマンスマネジメントプロジェクト)。