自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

カラス、なぜ泣くの

カラスによる被害が全国のゴミ集積所の大きな悩みとなっているらしい。

これに対し「カラス博士」の異名をとる宇都宮大学の杉田昭栄教授は、化学メーカーと共同で黄色の半透明のゴミ袋を開発した(日経新聞, 2005.5.9, p.34)。

カラスの視覚では黄色が強調されるため、人間の目には半透明でも、カラスには中身が見えない。だから、つついたり、ついばんだりする行動が自発されないということらしい。

すでに杉並区や大分県臼杵市などで導入され、一定の効果を上げているようだ。

私の予想:袋がやぶけて中からゴミがでてしまったり、たまたま黄色いゴミ袋をつついて生ゴミにありついてしまったりということが数回あるだけで、逆に「黄色いゴミ袋」がそこに食餌があることの弁別刺激になってしまって、オセロゲームで土壇場に大逆転されるように、カラスがいっせいに黄色いゴミ袋をつつきだす−あたらないと、いいけど。

私の提案ーカラスにもカラスの事情があるはず(自然界に餌が少ないとか、それ以上に繁殖にとってプラスの条件が多いとか)。いっそ人間のパートナーとして迎え入れ、ゴミ拾いをしてもらうとか、発電してもらうとか(空き缶を拾ってきてポッドに入れれば自動で餌がでるような装置とか)、労働力を提供させたらどうだろう。線路に置き石するくらいだから、好子さえ出現させてやれば、代替行動を強化できるでしょう。