これはすごい。小林先生と奥田先生のユニットというのも想像を絶するが(注)、内容に抱腹絶倒。
療育に関する54の問いに二人の臨床家がそれぞれわかりやすく、親御さんにとってはおそらくすぐに「やってみたい!」と思うであろうテクニックを紹介するという形式の本。
たとえば「Q36:洋服にこだわりがあって困ってます」という問いに対し(自閉症のお子さんではよくあることですよね)、小林先生は「うっかり法で慣れさせましょう」、奥田先生は「どさくさにまぎれて法で着せてみましょう」と答える(詳しい方法を知りたい人は本を買って読んで下さい)。
何がすごいかっていうと、臨床の職人技(もしくは芸)と行動分析学のサイエンスの境界線をいったりきたりする本であるということ。
行動分析学は発達臨床に役に立つテクノロジーを確実に開発してきたけれど、それだけだとプロの臨床の仕事はできない。自分は臨床家じゃないんで、かつ、たくさんの臨床家の人たちを観察する機会に恵まれてきたので、そのへんよくわかっているつもり。この本にはそのプラスαの一部分がもったいぶらずに公開されてます。
発達障害を持ったお子さんに関わる人、必読。
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(注)編集担当の人は苦労されたのではないかという邪推です。