自然と人間を行動分析学で科学する

島宗 理@法政大学文学部心理学科【行動分析学, パフォーマンスマネジメント, インストラクショナルデザイン】

生死をわける? インストラクショナルデザイン

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読売新聞日本臓器移植ネットワークによれば、1997年10月の臓器移植法施行から今年6月までに、意思表示カードの記載不備で脳死臓器提供ができなかった事例は105件あった。

あわてて自分のカードを確認したら、しっかり○がついていた(画像の青い丸で囲った箇所)。

厚生省は弾力的な解釈をして「1」に○がついていなくても臓器提供が可能になるようにする方針だそうであるが、その間、臓器が提供されなかった人はどうなったんだろう。

インストラクショナルデザインの考え方からすれば、ただちにカードのレイアウトを変更すべきだ。

たぶん、カードの最初は、

 「私は、臓器を 1.提供します 2.提供しません (←1か2のどちらかを○で囲む)」

として、何をどんな条件で提供するかは、その下で意思表示させるべきではないだろうか。

そして、もちろん、記入テストをして、どんな記入ミスがでてくるかを調べてから採用すべきだろう。